中国重慶市の陰条嶺自然保護区、10年で植物の新種5種を確認

中国重慶市の陰条嶺自然保護区、10年で植物の新種5種を確認

陰条嶺国家級自然保護区で確認された植物の新種キンポウゲ科センニンソウ属の「巫渓鉄線蓮」。(2016年5月30日撮影、重慶=新華社配信/鄧洪平)

 【新華社重慶5月16日】中国重慶市巫渓(ふけい)県にある陰条嶺国家級自然保護区の管理事務センターはこのほど、10年近く実施した生物資源総合調査と特別調査活動で、植物の新種5種が確認されたと発表した。

 調査は、重慶自然博物館や重慶師範大学、重慶市中薬研究院などの研究機関と共同で実施した。確認された新種は、キンポウゲ科センニンソウ属の「巫渓鉄線蓮」、ラン科エビネ属の「巫渓蝦脊蘭」、ナデシコ科ハコベ属の「多裂繁縷」、キョウチクトウ科カモメヅル属の「三峡白前」、イワタバコ科オレオカリス属の「巫渓馬鈴苣苔」。研究成果は、国際誌「Phytotaxa」や中国の「西北植物学報」など著名な植物分類学の学術誌に掲載された。

中国重慶市の陰条嶺自然保護区、10年で植物の新種5種を確認

陰条嶺国家級自然保護区で確認された植物の新種ナデシコ科ハコベ属の「多裂繁縷」。(2020年8月19日撮影、重慶=新華社配信/陳鋒)

 調査では、保護区内に多くの希少種や絶滅危惧種が生息していることが分かった。確認された維管束植物3595種のうち、重点保護野生植物が74種あった。重点保護野生植物のうち、51種が国家級保護植物、23種が重慶市保護植物だった。

 同自然保護区は、巫渓県東部の大巴山脈中腹に位置し、複雑な地質構造を持つ。標高差が2400メートル近くあり、断崖絶壁や峡谷が広がる。亜熱帯北部山地の希少種や絶滅危惧種が多く生息し、中国の亜熱帯山地の森林生態系と種の遺伝子の保存が最も良好な地域の一つで、研究価値と保護価値が高い。(記者/黄偉)

中国重慶市の陰条嶺自然保護区、10年で植物の新種5種を確認

陰条嶺国家級自然保護区で確認された植物の新種ラン科エビネ属の「巫渓蝦脊蘭」。(2016年5月29日撮影、重慶=新華社配信/鄧洪平)

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陰条嶺国家級自然保護区で確認された植物の新種キョウチクトウ科カモメヅル属の「三峡白前」。(2021年4月13日撮影、重慶=新華社配信/陳鋒)

中国重慶市の陰条嶺自然保護区、10年で植物の新種5種を確認

陰条嶺国家級自然保護区で確認された植物の新種イワタバコ科オレオカリス属の「巫渓馬鈴苣苔」。(2022年6月16日撮影、重慶=新華社配信/熊馳)

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