サンクスギビングデーとブラックフライデーに3つの地区対決

NFLロゴ【Ryan Kang via AP】

現地15日(水)に2024年NFLスケジュールが発表されたのに伴い、恒例のサンクスギビングデーのトリプルヘッダーと、2回目の登場となるブラックフライデーゲームも明らかになった。

3つの地区対決と、昨年のプレーオフチーム同士による1つのカンファレンス間対決が、特別な週に組まれている。

サンクスギビングデー 11月28日(木)

シカゴ・ベアーズ vs. デトロイト・ライオンズ
会場:フォード・フィールド/デトロイト日程: 12時30分【日本時間29日(金)2時30分】

クオーターバック(QB)ケイレブ・ウィリアムズの加入により、シカゴ・ベアーズには新たな活気と関心がもたらされた。NFLのスケジュール担当者たちはそんなベアーズを感謝祭の日程に組み込んでいる。

ベアーズが感謝祭の日に大きな壁に挑むことになった。ベアーズはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区のライバルであり、昨季に地区制覇を果たしたライオンズと対決するために、デトロイトへ赴く。

この試合では、ドラフト全体1位指名を受けたウィリアムズと、NFLで最も高給取りのQBの1人であるジャレッド・ゴフが対戦する。その点は注目を集めるはずだが、この試合には他にも興味深いところがある。

2023年、ライオンズは30年ぶりに地区タイトルを獲得し、プレーオフで2勝を挙げてNFCチャンピオンシップゲームでサンフランシスコ・49ersに惜敗した。しかし、ライオンズはそうした成功を収めながらも、ホームで行われたサンクスギビングゲームでグリーンベイ・パッカーズに衝撃的な敗北を喫し、パッカーズのポストシーズン進出を後押しする形となってしまった。

ライオンズはこの試合で、若く有望なクオーターバックの力を借りて飛躍を目指すもう1つの地区ライバルと対決する。これはNFC北地区の争いに大きな影響を与える可能性があると言えよう。

パッカーズが2023年シーズンの後半に突如として調子を上げたことに加え、ベアーズのオフシーズンが良い雰囲気に包まれていることから、NFC北地区はにわかに注目を集めており、見どころある王座争いが予想されている。現在はライオンズがその座にいるものの、サンクスギビングゲームのような試合でその座を守らなければならない。シカゴで行われた前回のベアーズ戦に28対13で敗れたライオンズは、再びそうならないようにする必要もある。

この対決でライオンズはフォード・フィールドを味方につけるはずだ。

ニューヨーク・ジャイアンツ vs. ダラス・カウボーイズ
会場:AT&Tスタジアム/テキサス州アーリントン日程: 16時30分【日本時間29日(金)6時30分】

感謝祭の日にはビッグDでも地区対決が行われる。

カウボーイズは例年通り、感謝祭の日にホストの役割を果たし、ニューヨーク・ジャイアンツをAT&Tスタジアムで迎え撃つ。

この2チームは同じ地区に属するライバル同士だが、過去3シーズンではカウボーイズが優位に立っており、6勝0敗を収めている。2023年シーズンでの2試合を含め、ほとんどの対決で大差をつけられているジャイアンツ。今回の試合の行方は、ジャイアンツが不本意なシーズンを過ごした昨年に自ら掘った穴から抜け出せるかどうかにかかっている。

それはQBダニエル・ジョーンズから始まる。ジョーンズは2023年シーズンにまたしても健康問題に悩まされ、キャリアで最も少ない6試合の出場にとどまった。ジャイアンツがドラフトでQBを指名して別の選択肢を模索するといううわさが流れたオフシーズンを経て、ジョーンズはまず健康を維持してから自分を疑う者を黙らせなければならない。感謝祭でカウボーイズに勝利すれば、ジョーンズはそれを実現できるだろう。

カウボーイズはこの2年、感謝祭の日にちょっとした幸運に恵まれており、ワシントン・コマンダースに圧勝した2023年を含め、いずれも勝利を収めている。チームのメンバーの中には、今回の試合にちょっとした既視感を覚える者もいるかもしれない。カウボーイズは2022年の感謝祭の日にもジャイアンツと対決し、28対20で勝利。このシーズンに、ジャイアンツは就任初年度を過ごしていたヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボールの下で躍進を遂げた。

それから2年が経ち、ジャイアンツは当時とは違う――より絶望的な――状況に置かれている。ジャイアンツが感謝祭の日に結果を残すか、カウボーイズが連勝を3に伸ばすかに注目だ。

マイアミ・ドルフィンズ vs. グリーンベイ・パッカーズ
会場:ランボー・フィールド/ウィスコンシン州グリーンベイ日程: 20時20分【日本時間29日(金)8時20分】

感謝祭の最後を締めくくるのは、パッカーズがグリーンベイでドルフィンズを迎え撃つ試合だ。プライムタイムに行われるこの試合では、かつて共に働いていた者たちが相まみえる。

ヒューストン・テキサンズ、アトランタ・ファルコンズ、ワシントン・レッドスキンズ(現コマンダース)で共に働いていたパッカーズのマット・ラフルアーHCとドルフィンズのマイク・マクダニエルHCが、2度目の対決に挑む。両者が最初に顔を合わせたのは2022年シーズンのクリスマスで、このときはQBアーロン・ロジャース率いるパッカーズが26対20で逆転勝利した。

今回はドルフィンズのQBトゥア・タゴヴァイロアと新進気鋭のQBジョーダン・ラブの対決となる。七面鳥を食べて満腹になったファンも、多くの人々がプレーオフ争いに加わると予想している2チームの対戦を観るために、昼寝から目覚めるはずだ。

ドルフィンズはこの2シーズン、いずれもシーズン中盤までは勢いに乗っているものの、プレーオフに突入するとスーパーワイルドカード週末で敗退するという残念な結果に見舞われてきた。一方、2023年シーズンにプレーオフでピークに達したパッカーズは、ライオンズに勝利した感謝祭の日を皮切りに、衝撃的な展開でディビジョナルラウンド進出を果たしている。

どちらも大きな期待を寄せられながら2024年シーズンを迎える。彼らがその期待に応えることができれば、NFLのカレンダーが12月に近づくにつれて、この対戦は興味深いものになるだろう。

ブラックフライデー 11月29日(金)

ラスベガス・レイダース vs. カンザスシティ・チーフス
会場:アローヘッド・スタジアム/ミズーリ州カンザスシティ日程: 15時【日本時間30日(土)5時】

NFLは昨年のクリスマスに大番狂わせが起こった試合を再現しようとしている。

今回のレイダース対チーフス戦はクリスマスではなく、ブラックフライデーに行われる。このような日にシルバー&ブラックが登場するのはうってつけだと言えよう。

昨年のクリスマスはチーフスにとって暗黒の日となったが、同時にターニングポイントにもなった。レイダースはカンザスシティに乗り込み、2回のディフェンシブタッチダウンを決めて20対14で勝利。この試合を受けてレイダースは7勝8敗となり、チーフスはじっくりと内省することを余儀なくされた。

その時間がチャンピオンを生み出している。チーフスのアンディ・リードHCは後に、レイダースの暫定(現在はフルタイム)ヘッドコーチのアントニオ・ピアースに対し、クリスマスに自分たちを打ちのめしてくれたことに感謝している。チーフスはこの日、現状に甘んじてはいけないという教訓を得た。

レイダースに敗れた後、チーフスは6試合連続で勝利。最後は第58回スーパーボウルでサンフランシスコ・49ersを延長戦の末に破った。

2024年、チーフスとレイダースはショッピングとリラックスを楽しむ日に、長年のライバル関係を再燃させる。昨シーズンに史上初めて実施されたブラックフライデーゲームは、ドルフィンズが劣勢のニューヨーク・ジェッツに圧勝するという一方的な結果に終わった。それを受け、今季の試合が昨季の試合よりも魅力的なものになることをほとんどの人が願っているはずだ。

チーフスとレイダースのライバル関係は説明不要だろう。波乱に満ちた2023年シーズンを耐え抜いたレイダースは、2024年にピアースHCの下で新時代に乗り出すことを望んでいる。ひょっとすると、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区の敵にもう一度勝つことでそれを実現させたいと考えているのかもしれない。

一方、チーフスは再びスーパーボウルで勝利を収めるという1つの目標に集中し続けている。チーフスはその旅路の途中に、ブラックフライデーでの初対決を含む、2回のレイダース戦に臨む予定だ。

【RA】

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