タクシー運転手が号泣 車載カメラが利用客のカスハラを克明記録 「やめろ!」「警察にチクるのか?」

テレビ愛知

カスタマーハラスメント通称「カスハラ」が問題となっています。テレビ愛知は東海地方を中心に展開する「つばめタクシー」の車載カメラの映像を入手。そこには車内で繰り広げられていたカスハラの実態が刻銘に記録されていました。

ケース1「金額に納得いかず…」

後部座席には1人の男性客。運転手は停車した状態でカーナビを操作しています。すると…

男性客:
「止まんなよ! お前さ、素人か!」

運転手を見下したかのような発言。その後、指定の場所に近づくと…

男性客:
「高いって言ってんの! さんざんとろとろ走りやがって」
運転手:
「スピードは金額に関係ありません」
男性客:
「電話しろ! どこの会社だ! もめるわ!」

金額に納得がいかない様子。運転手とのやりとりがしばらく続いた後…

男性客:
「老害が! 学もない、知識もない。車転がすしか知識がねえんだろ、車転がす知識もねえんだ!」

男性客:
「いちいちしゃべんな! むかつく? けんかする? 殴る? 喧嘩買おうか? 俺も殴りてえし」

ケース2「八つ当たりがエスカレート」

男性客:
「ごめんなさいだろ。てめえ覚えとけよ。オッケーオッケーじゃねえだろ」

1人の男性が乗ってきました。どうやら直前まで口論していたようです。怒りが収まらないのか…

男性客:
「やっていいかな? ここまでイラつくの初めてなんだけどどうしたらいい?」
運転手:
「揉め事か何かですか?」
男性客:
「揉め事やろ。こんなの。なめとんじゃねえぞ!」

運転手に八つ当たり。さらに…

男性客:
「おい! ああ!」

バン!!
何と持っていたスマホを投げつけます。

運転手:
「暴れられるとお乗せできないんです」
男性客:
「暴れるとどうすんねん。このやろ。暴れられるとどうなんだよ、コノヤロー」
運転手:
「警察に行かないと」
男性客:
「お前が警察にちくんのか」
「こっち向けよ。馬鹿にしてるんだろ!
運転手:
「新栄の方まで言われた通り、まっすぐ進んでいるんですが」
男性客:
「だる。なんでおれが悪いみたいになってんだ。止まれ。貴様てめえ! 調子のってんじゃねえぞ」

ケース3「あまりのショックに…」

車内には男性客と女性運転手が乗っています。走行していると男性客が…

男性客:
「あんたどこ行こうとしてるの?」
女性運転手:
「私が聞き間違えました、すみません」

走行ルートが指示通りではないと主張する男性客。すると…いきなり持っていた財布を叩きつけました。さらに目的地に到着後…

女性運転手:
「謝りましたよ」
男性客:
「バカヤロー。謝ってねえ!」
女性運転手:
「申し訳ありませんと言いました」
男性客:
「何を言ってんだ! 今、言ってるだけだろ」
「なんだその目つきは! なんか文句ある? 文句ある目つきだわ!」
女性運転手:
「ないです。申し訳ありませんでした」
男性客:
「申し訳なかったらそんな態度じゃねえ! やめたらええわ!! ふてぶてしいわ!」

こうした状況がおよそ10分近く続きました。

男性客を見送った後、涙する女性運転手。ショックを受けたのか女性運転手はしばらく涙が止まりませんでした。

こうしたカスハラは、タクシー業界にとって、大きな痛手になっているといいます。

つばめ自動車天野清美社長:
「入社して3か月未満の退職の方の3分の2がそれ(カスハラ)が理由。今、人手不足と言われている中で、会社の業務上、被害甚大だ」

つばめタクシーは乗務員を守るため対策を取っています。

これまで車内には乗務員の顔写真とフルネームが表示されていましたが、今は名字だけです。ネットなどに顔や名前が晒されたり、住んでいる場所が特定されるのを防ぐためです。

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