【阪神】岡田監督が聖域にメス 〝不動の4番〟大山悠輔をベンチスタート…首位返り咲きもボヤキとまらず

途中出場の大山は8回、三振に倒れた

阪神は16日の中日戦(バンテリン)に9―4で完勝。2カード連続の勝ち越しを決め、単独首位に返り咲いた。

守備位置と打順の固定を重んじる〝静〟の采配で昨季38年ぶりとなる日本一に輝いた岡田彰布監督(66)が、あえて動いた。虎打線は直近3戦で合計4得点。前日15日には打撃不振と守備難に苦しんでいた佐藤輝の二軍降格を決断したばかりだったが、この日はさらに踏み込んだ一手でチームの聖域を崩した。

左翼席の虎党だけでなく、右翼席の竜党までザワつかせたのは、試合開始前のスタメン発表。岡田政権下で全試合に先発出場してきた大山悠輔内野手(29)を2022年8月18日以来となるベンチスタートとしたのだ。

不動の4番は直近6試合で25打数2安打と大ブレーキ。打線のつながりを妨げる大きな要因となっていただけに、ここにも思い切ってメスを入れた。

大山に代わって「4番・一塁」でスタメン出場した原口は、1号3ランを含む4打数1安打4打点の大活躍。その一方、6回の守備から途中出場した大山は8回に巡ってきた打席で変化球にまるでタイミングが合わず3球三振…。両者のコントラストがハッキリと出る一日となってしまった。

久々の大勝劇ではあったものの、試合後の指揮官の表情は晴れず「(大山の状態は)打席見たら分かるやんか。何も合ってないやんか。当たらへんもんな」とボヤキが止まらなかった。

ただ、急造打線でいつまでも勝ち続けられるほどペナントレースは甘くない。連覇のためには〝春の大山〟の一日も早いお目覚めが必要だ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社