全ての特定秘密に解除条件設定を 諮問会議委員

 岸田文雄総理は15日開いた情報保全諮問会議で「特定秘密保護法成立から10年。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の下、平和な暮らしを守り抜くためには情報と保全が極めて重要」としたうえで、防衛省の情報漏洩問題に触れ「あってはならないこと」と断じた。

 岸田総理は「防衛省で二つの情報漏えい事案が発覚した。1昨年にOB隊員への漏えいが明らかとなったばかりで、積み上げてきた信頼を損なう由々しき事態。防衛省のみならず全ての関係省庁において、再発の防止と適正な運用を徹底していきたい」と述べた。

 また「特定秘密保護法は独立公文書管理監による検証・監察、衆・参両院による調査、有識者による指導という重層的なチェック体制の下、細心の注意を払って運用していくべきもの」と強調した。

 読売新聞グループ本社代表取締役会長の老川祥一氏が座長を務める諮問会議。出席者からは防衛省の情報漏洩事案に「以前に上下関係があった中で畏怖の念があったとされ、このようなことを起こしてしまったとあるが、今後も同様の事案があることは想定できる。ブリーフィングが行われるときはどのような相手であるか念頭において対処することが肝要」との意見が出た。

 また他の出席者からは「特定秘密の指定の有効期間について指定の有効期間を5年と設定し、これを延長することが繰り返されている」として「我々諮問会議のメンバーは当初から全ての特定秘密について『解除条件を設定していただきたい』と申し上げている。解除条件の設定が中々増加しないことから、何らかのものは指定書に記載していただきたいということがこちらの意向である。指定書の書式に解除条件の欄を設けていただき、これをチェック方式、又は記載方式にするのか、チェックの方がやりやすいと考えられるところ、まずはそこだけでも実施していただきたい」などの指摘があった。(編集担当:森高龍二)

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