山中崇が「パーセント」に主人公・伊藤万理華の上司役で出演中!「今までなかった道に踏み込んでいるドラマ」

NHK総合ほかの連続ドラマ「パーセント」(土曜午後10:00)に、伊藤万理華演じる主人公の上司・植草秀樹役で出演する山中崇が、役柄への思いや作品の見どころを語った。

伊藤主演、和合由依共演による「パーセント」は、多様性実現を掲げるテレビ局が舞台。“新しい時代のドラマ”を作るため白羽の矢が立ったローカルテレビ局で働く新人女性プロデューサー・吉澤未来(伊藤)と、俳優を目指す車椅子の高校生・宮島ハル(和合)が、性別や障害で語られる自らの“価値”に、何度も悩み傷つきながら、互いの存在に力をもらって、少しずつ前に進む中で希望を見いだしていく、多様性社会を生きるすべての人へおくる物語だ。

山中演じる植草は、未来が務める「Pテレ」ドラマ班のチーフ・プロデューサー。障害のある親族がおり、未来の企画が当事者を傷つけないか、厳しい視線を向ける人物だ。

「僕はこのようなテーマを題材にしたドラマに参加したことがなかったので、良い機会をいただけたと思っています」と言う山中は、「僕自身が年齢的にもそういうポジションに置かれる存在なので、植草は、中間管理職という立場で、これから育っていく若い世代が、いずれ自転車を1人でこぎ出せるための『補助輪』のような役割であろうと思っています」と自身の役柄と劇中での役割について触れる。

役作りについては、「植草は悩み続けている人です。モノづくりに貢献しているけど、そこまで日の目を見ないような、縁の下の力持ちのような人だから、うまくバランスを取ることを考えていると思います。でもこのドラマに参加することで、植草自身も学んだことは大きいと思います。僕が描く植草像としては、自分の企画ではない若い世代の企画をどう作品として成立させるかということを進めていて、その中で、障害者を扱うドラマに関わることで、『そもそもドラマってどういうものなんだろう、何のためにあるんだろう』と考えて、この企画に携われたからこそ出会えたことがいっぱいあると思うんです。考え続けることが大事というか、そこを辞めちゃったら終わるんだろうなと、あらためて感じました。あと関西のことばは、僕自身一番難しい言葉だと思っています。過去にも(関西ことばの役を)演じたことはあるんですが、『聞いた瞬間に、ネーティブじゃないのが分かるよ』とか言われてきていたので、でもせっかく言葉を使わせてもらっているので、敬意を払って演じていきたいと思います」と役への深い思いと努力を語り、学び続ける姿勢がうかがえる。

また、撮影現場については、「主人公を演じる伊藤さんは、セリフが体を通してしゃべっている気がするんです。そこにうそがないと思いました。リアクションも、ちゃんと悩んでいるし。何げないしぐさもうそがない。ちゃんとそこで自分で感じて表現されているんだなと思いました。ハルちゃんを演じる和合さんは、本当に心(しん)が強くてエネルギッシュですよね。お芝居しながら関西ことばを使うのは、相当ハードルが高いと思うんですけど、しっかりやり遂げていて、ことば指導の方も『ハルちゃん、すごい!』と言っていました。僕も学ばされるし、それは障害者だからってことでもなくて、和合さんという人の魅力がすてきだと思うので、『障害』と『健常』という言葉が分けるものって何だろうって考えさせられます」と共演者の魅力と撮影現場の雰囲気を伝え、「僕個人としても、『何のためにドラマや映画、演劇があるんだろう』というのはよく考えるんです。ほんの1ミリでもいいんですけど、作品がちょっとでも誰かにとってのそよ風になってほしいし、一歩でも踏み出すものであってほしいなというのは、最近思うことです。こういう現場では、健常者とか障害者とか関係なく、みんなで一つのものをつくっていく、そうありたいですね」と多様性を尊重する姿勢を見せる。

そして、「今回の作品は、今まであった道を歩くものではなく、今までなかった道に踏み込んでいるドラマだと思います。大変なこともあると思いますが、振り返ったら、このドラマが道を作っていたらいいなという思いはあります。みんな、本当に一生懸命に取り組んでいます。一生懸命って、当たり前なのかもしれませんが、どうしていくべきか、何がいいのかを本当に考えているから、それが伝わればと思います。いろいろな意見があっていいと、僕は思うんです。この作品が、その当たり前になるための第一歩だと思っているので、そういう思いで関わらせてもらっています」と新たな挑戦への思いを述べている。

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