立憲・泉代表が見た自民党政策モデルの限界 変えるには構図に頼らず自分の力で支持基盤を創れ!選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年5月12日に公開された動画のテーマは「衆院補選で全勝!勝因は?」

4月28日に投開票が行われた衆院補選では、立憲民主党が3勝0敗という結果を収めましたが、選挙区の様相はさまざまでした。泉代表は、選挙戦で各地を回る中で見た現実をもとに、選挙戦を総括します。

【このトピックのポイント】

  • 泉氏が長崎3区、島根1区で見た、自民党政権の弊害とは
  • 異なるニーズを持つ東京15区 ほんとうの勝因は
  • まだまだ強い自民党に勝つために必要なこと

泉氏のプロフィールは以下の通りです。

泉健太代表はまだ40代。29歳で衆院選に初当選し、補欠選挙を含め8回当選の実績を持ちます。

「政治の世界は年配が多い中、野党第1党の党首が40代というのは希望を感じる」とのMC鈴木邦和のコメントに対し、ウクライナのゼレンスキー代表やフランスのマクロン大統領を引き合いに出す泉氏。

「日本ではずいぶんと年齢の上の人たちが権力を持っている。むしろ日本のほうが珍しいかも」と表情を引き締めます。

泉氏は学生の頃から政治を身近にする活動をしてきました。

市の職員が夜勤手当をもらいながらやっていた開票作業を、学生アルバイトができるように掛け合ったエピソードは、大学生が選挙を身近に感じられる上、行政のコストカットにもつながる画期的なアイデアですね。

今回の放送で泉代表に伺うテーマは3つです。

長崎・島根 自民党の制度疲労が地方の疲弊を作った

今回、長崎・島根・東京の補欠選挙で3勝。泉代表は、全勝したことで「勢いを感じましたね」とコメントし、それぞれの選挙区の要因を語ります。

長崎3区は保守地盤で、立憲民主党は前回の選挙では敗れていた地域です。ここを地盤にしていた、自民党の重鎮でもある谷川弥一氏は、裏金発覚により、「自分としては、大臣並みの金を集めたかった」との言葉を残し、退陣しました。

泉氏「谷川さんは80数名の裏金議員の中では、ある種、純朴で。『悪いと思った』というんですよ」

泉氏は、谷川氏が最後の記者会見で、「長崎の星だと言われたかったのに、長崎の恥だと言われた。本当に申し訳ない」といって辞めていったというエピソードを紹介。

泉氏「やったことはよくないけれど、世の中の感覚に合った判断をした人だなと思った。ほかの裏金議員は辞めてないですからね」

谷川氏の決断を批判するのでなく、「すごいと思った」という泉氏。さらに、谷川氏の退陣に、自民党の深刻な構造を感じたといいます。

泉氏「当選9回にもなっているのに、派閥の指示に従わざるを得なかった。チケットを売れば売るほど評価されるということに巻き込まれた。これだけ年配のかたが、そこに何も言えないシステムができていたことが、より深刻」

自民党の闇は、自民党の支持層にも伝わったのではないかと泉氏はコメントします。

島根1区の地盤は故・細田博之氏。旧統一教会や、派閥の長としての裏金に関与していた可能性が高いとささやかれる政治家でした。泉氏も細田氏を、「自民党内のヒアリングでも、細田さん、町村さんの時代にいろいろあったと噂される人。何も語らずに亡くなられてしまった」と振り返ります。

泉氏は「弔い合戦は身内にとっての話」と突き放し、よからぬ置き土産を残した細田氏は、有権者にとっての身内と見られるだろうかと問います。

今回、立憲民主党からは、前回惜しい戦いをし、比例復活もかなわなかった亀井亜紀子氏が再チャレンジ。「野党のリーダーとして勝つことができました」と泉氏は評します。

とはいえ、相手は財務省の元中国財務局長。「投票日まで、自民党の締め付けを恐れながら戦っていた」と語ります。

泉氏「県連の仲間たちに話を聞いても、ずっと有権者の反応が強く、変わっていないんですという話だったので、最後までだいぶ力を入れた」

MC鈴木邦和「弔い合戦は強いじゃないですか。しかも島根1区、自民党は負けたことがない。あれだけの差をつけて亀井さんが勝ったのは象徴的」

泉氏「裏金問題は大きいし、政党支持率でいえば自民党がまだ上。無党派のみなさんが立ち上がってくださったのが大きい」

選挙区を回った泉氏は、長崎にも島根にも、自民党政権が長くつづいたことによる疲弊がかなり見て取れたと語ります。

泉氏「駅前の商店街、繁華街。中山間地では離農した農家の廃屋。漁村では置きっぱなしの廃船。高齢化率がかなり高くて、自民党はそこに大きな事業を引っ張ってきて、何年か業界を潤わせて経済を回そうとするスタイル」

MC鈴木「自民党の政策モデルの限界。プラス、組織としての機能不全。自助作用もない、そちらのモデルの限界も顕著に出たのでしょうか」

泉氏「一過性だし、大手ゼネコンさんが取ったらまた東京にお金が戻るだけの話。地元が日々生活していこうという中で出てくる課題の解決にお金が使われず、事業が先に中央から来ちゃっている感じ。ずれが地方の元気につながってこなかったのかな」

さらに、島根は県内に女性国会議員がいなかったということも紹介。

泉氏「男性で同じ年代の国会議員が並んだ時、多様性はどこにあるの、そこに気付かされた」

東京15区 多様な有権者にいかに働きかけるか

多様性という意味では、各党の候補者が勢ぞろいし、若手も多かった東京15区は、だいぶ様相が異なります。

泉氏は、東京15区は亀戸、清澄白河、豊洲あたりの3つに分かれると分析、それぞれの特徴を説明します。

泉氏「豊洲は子育て世代がたくさんいる。少子化対策&子育て施策がメイン。亀戸では介護のことも訴えてよ、地元の商売のことも訴えてよという声が上がった。どうやって双方に働きかけるかが重要だった」

MC鈴木「各地域の解像度が高いですね?地元に入るたびに勉強されるんですか?」

訪問時には、「基本的に地区名までなるべく覚えるようにしている」という泉氏。地域のある程度の特性、前回までの票なども見るようにして、訪問に臨んでいると、それが当たり前であるかのように淡々と話します。

MC鈴木邦和「東京15区も大勝。勝利の要因は?」

泉氏は、自民党や立憲民主党だけでなく、保守系も革新系も、それぞれの政党に支持率があったことを指摘します。

その上で、共産党が候補者を下ろしたという政治的判断を「高度な判断だった」と語り、ターニングポイントになったと示します。

泉氏「共産党は、共産党と立憲民主党が違うということを明言したうえで、自民党の今の政治を変えるという目標の中で、候補者を下ろすという意志決定をしたことで、それぞれの政党の行動が形作られた」

構図に頼らず、自分の足で、力で、強い相手を上回る支持基盤を作れ

立憲民主党にとって、来るべき衆院総選挙を戦う上での課題や改善点はどういったところにあるでしょうか。

泉代表は、「野党で連携すべきという声はよく聞くが、最初からほかの政党を頼っているようではダメ」と、各地の立候補予定者に語りかけます。

泉氏「最初からどこかの党の票を当てにして、自分の選挙構図を考えるようでは負けるよ。自分たちだけで勝ちきれる構図、戦略を徹底的に探し続けること。最終的に党本部同士で構図ができあがるかもしれないが、自分の足で、自分の力で支持基盤を作って、強い相手を上回る立憲単体の総支部長になってもらわないと困るよ」

泉代表の正論に、MC鈴木は思わず「選挙を構図で見ていたので反省しました」とつぶやきます。

泉氏「投票はわからないわけです。自分自身として当選ラインの票を積めるかどうかしかないんです。そこに、うちの仲間たちはそこにたどり着いているかを自問自答しながらやっていかないと、目標は達成できないですね」

次の総選挙に向けて、候補者を募集中の立憲民主党。泉代表は「候補者を募集しております」と締めくくりました。

動画本編はこちら!

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次期衆院選へ「政治を変える仲間を募集する」立憲泉代表が、衆院補選全勝の理由を語ります。

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