トーレンス、新レコードプレーヤー「TD1500」。サブシャーシー・フローティング構造“元祖機”を最新技術でリファイン

PDNは、スイスの老舗ブランド、THORENS(トーレンス)の国内輸入販売を開始すると発表した。また、同ブランドのレコードプレーヤー「TD1500」を7月1日(月)より発売する。価格は税込495,000円。

「TD 1500」

トーレンスは、1883年にスイスで創業した世界最古の家電メーカー。オルゴール製造に始まり、ラッパ型蓄音機やサウンドボックス、レコードプレーヤー等の製作によって世界的な認知と名声を得た。CDの隆盛等により一時期は低迷することとなったが 、現オーナーであるグンター・キュルテン氏が2018年にブランドを引き継ぎ、商品ラインナップを一新。 現在の商品は、外観は過去の名機を踏襲しつつ技術はドイツで新規開発。サウンドクオリティを高めると同時に実用的な機能や調整方法が盛り込んだ上で、「手の届く」ハイエンド価格を実現しているという。

現オーナーのグンター・キュルテン氏

TD1500は、同社が1965年に製作したサブシャーシー・フローティング構造のレコードプレーヤーの元祖「TD 150」を現代の技術と融合しながら蘇らせたとする、マニュアル式のモデル。3つの調整可能な円錐スプリングを備えた同社伝統のサブシャーシーと、 新規開発の高精度なトーンアームや電子制御DCモーターによるベルトドライブとの組み合わせよって、低ワウフラッターと安定した回転速度を実現したと説明している。

トーンアームには、高さとアジマスが調整可能な「TP 150トーンアーム」を採用。SMEのコネクターを標準装備しており、ヘッドシェルの交換やカートリッジの取り付けが簡単に行える。アンチスケーティングは、ベアリング部に通したナイロン糸によってガイドされるカウンターウェイトで調節され、スムーズな動きを保証しているとのこと。

針圧は2つのパーツで構成された目盛付きのカウンターウェイトで設定ができ、これによって6gから30gまでの幅広いカートリッジが使用可能となる。なおカートリッジは、スタイラスチップに無垢のファインライン針が採用されたオルトフォン製のMM型「2M Bronze」を標準装備する。

オルトフォン製のMM型カートリッジ「2M Bronze」を標準装備

対応速度は33 1/3、45回転。出力端子には、フォノアンプへの通常のアンバランス接続用のRCAと、MCカートリッジ使用時にバランス出力できるXLRの2系統を装備する。外形寸法は420W×150H×360Dmm、質量は7.9kg。付属品としてアクリルダストカバーを同梱する。

また、今後の国内導入予定製品についても予告。フローティング/サブシャーシターンテーブル採用で外部リニア電源を用いるベルトドライブ式モデル「TD1601」(税込予価99万円)と「TD1600」(税込予価88万円)、ダイレクトドライブ式モデルで同じく外部リニア電源を用いる「TD124DD」(税込予価198万円)を、2024年秋以降に発売予定だと案内している。

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