接客の場の“~でよろしかった・~になります”もイライラ、40~50代男女が「よく使われているが“モヤッとしてしまう”言葉」【完全版】

ていねいそうだけど、なにか変?(photoAC)

昨年末の「ユーキャン新語・流行語大賞」には、年間大賞に「アレ(A.R.E.)」、トップテンに「首振りダンス」「蛙化現象」「地球沸騰化」「闇バイト」など新しい言葉が選ばれた。主に若者を中心に、時代時代で新たな言葉が誕生する。一瞬の流行で消える言葉もあれば、その後一般化し、『広辞苑』(岩波書店)にのる言葉もあるが、本来の意味とはかけ離れた意味で使われるようになった言葉や、誤用から使われるようになった言葉などは、聞くたびに「ん?」となってしまうこともありそうだ。そこで今回は40~50代の男女100人に「よく使われているが“モヤッとしてしまう”言葉」について聞いてみた。(アンケートサイト「ボイスノート」調べ)

第8位には、「知らんけど」「~でよろしかったでしょうか」「~になります」が同率ランクイン。

「知らんけど」はもともとは関西弁で、不確かなこと、予測で話したことの最後につけるという使い方がされていたが、それが若者の間に広まり、会話の端々で使われるようになった。「知らんけど」をつけることで、間違ったことを言ってもOKと感じ、“無責任”という印象を抱く人もいるようだ。

「何かバカにされたような気持ちになる」(51歳/女性/主婦)

「いちいちつけ加えて言うのでやめてほしい」(54歳/女性)

「めんどくさっ! と思ってしまう」(56歳/男性)

■その日本語、変です

「~でよろしかったでしょうか」「~になります」は主に飲食店など接客の場で働く人が使いがちな言葉だ。ていねいな言葉をと気をつけるあまり、ちょっと変な日本語になっている。

「“~でよろしかったでしょうか”。なぜ過去形?」(45歳/女性/主婦)

「日本語として変だと思う」(57歳/男性/コンピュータ関連技術職)

「過去になってる! と思いながら聞いている。普通にレストランで使われる。これでよろしいと少し前に言った覚えはないけどな、と思う」(58歳/女性/主婦)

「“~になります” 。1万円からになりますなど、バイトの人だけが使う間違った日本語だと思う」(40歳/男性)

「こちらオムライスになります、という定型文。オムライスです、でいいのにといつも思う。いちいち言わないが日本語としておかしいと思う」(40歳/女性)

■第4位は「普通に」「かわいい」「逆に」「彼氏・夫などの呼び方」

第4位は、「普通に」「かわいい」「逆に」「彼氏・夫などの呼び方」。

「普通に~」と、なにかを説明するまえに「普通」という言葉をわざわざつける話し方もよく耳にする。

「“普通に”。イライラする」(41歳/男性)

「どういう意味? と思ってしまう」(48歳/女性/総務・人事・事務)

「“普通に”は褒めているシーンでも嫌味に聞こえる。もっとストレートに言ったほうが素直に伝わる」(46歳/女性/営業・販売)

「かわいい」は、子どもや動物、ビジュアルなどを褒める言葉として使われる。しかし、最近では一見かわいいからかけ離れたものにも使われており、対象に対してポジティブな感情を持ったときに多用される傾向にある。

「なんにでも“かわいい”。かわいいの意味をちゃんと理解したうえで使っているのか非常に疑わしい。こんな無茶苦茶な言葉遣いがまかり通っていることにモヤっとする」(47歳/男性)

「意味が変わってしまっている」(49歳/男性/コンピュータ関連以外の技術職)

「何に対しても“かわいい”。どこがかわいいのか分からない」(56歳/女性)

「どう見ても地味なグレーのカーテンやカーペットの色にもかわいいという感覚がよくわからない」(45歳/女性)

「逆に」も最近さまざまな場面で使われるが、わざわざ逆に言う必要がないようなとき、話出すときのきっかけのように使われることも多い。

「何が逆なのかを説明してほしい」(49歳/男性/総務・人事・事務)

「全然逆のこと言ってないのに“逆に”と言う。いかにも自分はこう思うみたいな、かっこつけ?」(57歳/女性/女性)

「反対に、逆にって何? って思う。結局、反対でも逆でもなかったりするから、意味不明」(54歳/女性/主婦)

「彼氏・夫などの呼び方」などにも時代とともに多様化している。第三者が赤面してしまうような呼び方もあるが、最近の呼び方は主にネットやSNSで多用されるイメージの言葉が多い。

「“彼ピッピ”。いい歳して正気かと思いました」(53歳/女性/公務員)

「彼氏彼女を“相方”ということがある。聞きなれないし、合わないので、違和感を感じる」(48歳/男性)

「夫のことを“旦那くん”という。身内のことを君づけで呼ぶのはちょっと慣れない」(42歳/女性/主婦)

今回はランク外だったが「男女の恋愛の初期の、ひょっとしたら、わずかに可能性があるかも、の意味だと思っていたが、何でもかんでも“ワンチャン”ということ」(21歳/女性/学生・フリーター)、「嫌な気分になる」(48歳/男性)という理由で「ワンチャン」、「見れた、食べれたなど。いまどきの言葉だなーと思う。間違いではないけど、気になる」(51歳/女性/主婦)、「見れる、など。本来は見られるだから」(58歳/男性)という理由で「“ら”抜き言葉」、「“めっちゃ”。みんな同じ言葉を使ってるし、自分がないのかと思う」(42歳/女性/主婦)、「関西人じゃないのにとイライラ」(54歳/男性/営業・販売)という理由で「めっちゃ」、「絶対20年後には死語になってる」(51歳/男性/デザイン関係)、「よく分からない」(57歳/男性)という理由で「バズる」、「相槌を打っておけばいいみたいな、なんか拍子抜けした感じがする」(40歳/男性)、「何度も言われると、なんかイライラする」(51歳/男性/営業・販売)という理由で「なるほど」なども挙がっていた。

■「よく使われているが“モヤッとしてしまう”言葉」ランキング
1位 ヤバい
2位 エモい
3位 SNS・ネット用語
4位 普通に
4位 かわいい
4位 逆に
4位 彼氏・夫などの呼び方
8位 知らんけど
8位 ~でよろしかったでしょうか
8位 ~になります

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