「介護費用は、どのくらい準備しておけばいい?」知っておきたい考え方

「今は健康だけど、もし将来、要介護になったらどうすればいいのだろう…」と考える方も多いはずです。

介護保険に入ったほうがいいのか、悩みますよね。介護保険は昔からありましたが、支払要件が厳しいものでした。しかし、6〜7年前ぐらいから商品改定が進み、保障内容もよくなってきました。今回は、保障内容がどのように変わってきたのかと選ぶポイントについて解説をしていきましょう。


支払要件の緩い保険を選ぶのがポイント

介護保険の支払要件は、以前は要介護3(ほぼ全面的な介護が必要となる状態)など、支払要件がきびしい商品が中心でしたが、いま発売している介護保険の多くの支払要件は、要介護1(食事などは自力で行えるが部分的な介護が必要となる状態)あるいは2(日常生活動作でも部分的な介護が必要となる状態)に変わってきました。

また、死亡保障が付いていた商品が多かったため保険料も高めでしたが、いまは死亡保障はなかったり、特約になっていたりする商品が中心ですので、保険料も安くなっています。

介護保険の選び方のポイントとしては、支払要件です。支払要件が要介護度1または2などの基準が低い方が、受け取りやすいので、使い勝手はいいということになります。同じく保険料払込免除も、要介護度1または2がいいです。お勧めできるのは、支払要件になると自動的に保険料の払込も免除になる商品です。しかし、支払要件と保険料払込免除の要件が違う商品もあります。その場合には、要介護になったとしても、保険料の払込みが続く可能性があります。

受取方法は、一時金がいいか? 年金がいいか?

保険金の受取りは、一時金タイプと年金タイプがあります。また一時金と年金を併用できるタイプもあります。さらに要介護度によって、年金の受取額がアップしたり、一時金に変更になったりするタイプもあります。

たとえば、朝日生命の「あんしん介護」は、要介護1になると年金で受け取りが始まります。要介護度が上がると年金額も上昇します。要介護3になると一時金が出る保険です。この保険は、一時金だけでも入れるし、年金だけでも入れる、組み合わせもできる保険です。一方、アフラックの「介護保険」は、要介護1、2になると一時金がでて、要介護3以上になると年金に変わります。要介護度があがると年金額が増える仕組みです。

では、どちらがいいのか? 一概にどちらと言うのは難しいです。

なぜなら、要介護1・2の時期が長いのか、要介護3・4の状態が長いのかで、受取総額も変わるからです。これは、介護保険に入る前にはわかりません。

介護費用に掛かる費用は平均で820万円!

では、介護保険には、入った方がいいのか?というと、どうしても必要な保険ではありません。

ただ、要介護になると、いろいろお金がかかるのは事実です。公的介護保険があるので、自己負担は少なくて済むとはいうものの、生命保険文化センターの調べでは、公的介護保険を使ったときの自己負担額は、施設での介護となった場合、総額で平均820万円というデータがあります。介護は、長期間に渡る場合が多いので、どうしても負担額が大きくなるのです。

その介護費用は、貯蓄など余裕資金があれば、それで準備するのが一番です。その場合には、とくに介護保険を利用する必要はありません。なぜなら、ずっと元気で暮らすことができれば、介護費用は必要ないからです。介護は必要になるのかどうかわからないので、貯蓄で対応できるのであれば、介護保険は必要ありません。

元気で暮らすことができれば、使わなかった介護費用(貯蓄)は、旅行などのレジャーに使えばいいのですから。しかし、あまり余裕資金がない人は、ある程度、介護保険で備えておくと安心かもしれません。

介護費用は、どのくらい準備をしておけばいいのか?

では、どのくらい介護費用を備えればいいのでしょうか。

その答えとしては、「介護費用は、どのくらいかかるのか?」よりも、「介護費用は、どのくらいかけたいのか?」という考え方をしましょう。

先程、介護の自己負担の総額は平均820万円といいましたが、あくまでも平均額です。介護にかかる費用は、要介護の状況により異なります。

介護費用は掛けようと思えば、いくらでも掛けることができます。高級な有料老人ホームは、入居金が1億円以上という施設もあります。お金を掛ければ、いいサービスを受けることができます。どの程度のサービスを受けたいのかとか、受けさせたいのかで、介護に掛かる費用は変わってきます。

どんなサービスを受けたのかを考えて、もし介護費用が足りない場合には、介護保険を利用するのもひとつの手だと思います。

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