3Dプリンター住宅のセレンディクスが大林組の「スリムクリート(R)」を使用した実証実験を広島県で実施 ~「鉄筋・鉄骨レス」での施工実現を目指す~

セレンディクス株式会社(本社:兵庫県西宮市、代表取締役CEO:小間 裕康)は、大林組が開発した超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート(R)」を使用した3Dプリンター住宅建設の実証実験を、5月27日から広島県にて実施します。

スリムクリートは、超高強度の鋼繊維を含んだ、単独でも構造物として使用できるセメント系材料です。3Dプリンターで出力した躯体の内部に、同素材を充填することで、鉄筋や鉄骨を使用せずに、高い強度を実現します。鉄筋コンクリートに比べ、人件費や作業工数を大幅に抑えることができ、建設コストの低減につながります。

今回施工する「serendix10」(同型)

設計:CLOUDS Architecture Office

スリムクリート(提供:大林組) (1)

スリムクリート用鋼繊維(提供:大林組) (1)

■大林組が開発した「スリムクリート」 鉄筋コンクリートと比べ作業時間が大幅削減

国内において一定の規模以上の建築物を建設するためには、構造物が建築基準法に適合していることの確認(建築確認)を取得する必要があります。鉄骨、鉄筋などの指定建築材料を使わない場合は、建築物の安全性を証明するため、個別に国土交通大臣の認定(以下、大臣認定)が必要です。現在、当社では現行法の指定建築材料に合わせ、鉄骨や鉄筋を組み合わせ建築していますが、鉄筋を組む作業等は自動化できず、コスト増加の要因となっています。

大林組は、2022年に日本で初めて、指定建築材料外であるスリムクリートを用いた3Dプリンター建築物の大臣認定を取得した実績を持ちます。今回の実証実験において、すでに実績のある同社素材を使用することで、「鉄筋・鉄骨レス」での工法や施工の高速化につなげたい考えです。

■広島県での実証実験について

当社は2023年より、広島県が支援する「サキガケプロジェクト」に参画しています。このプロジェクトは、イノベーションによって新たな市場を創出するにあたり、障壁となる規制の緩和や新たなルールメイクに挑戦するスタートアップを支援し、実証の場を提供するものです。このたび広島県及び協力企業のサポートもと、広島県坂町において、5月27日よりスリムクリートを使用した実験棟としてserendix10を建設いたします。

(今回は、現行の建築基準法にあわせ鉄筋も使用します)

サキガケプロジェクトWEBサイト: https://hiroshima-sandbox.jp/sakigake/

〈セレンディクス 執行役員COO 飯田 國大コメント〉

本プロジェクトの実施にあたり、広島県様には「自分ごと」のように積極的に関わっていただき大変感謝しております。当社は「車を買う値段で家を買える社会の実現」を達成する為「住宅産業の完全ロボット化」を目指しています。広島県にはロボット化に成功した自動車産業を支える多くの企業があり、私たちと協業いただけるパートナーを探しています。

当社は「世界最先端の家で人類を豊かにする」を理念に掲げています。ファーストミッションである「住宅ローンに縛られることなく、高性能かつ安全・安価な家を誰もが手に入れられる社会の実現」を目指し、さまざまな企業や団体と協力しながら事業を進めてまいります。

【会社概要】

会社名 :セレンディクス株式会社

所在地 :兵庫県西宮市甲陽園目神山町1-1

創業 :2018年8月

資本金 :5億1,300万円(資本準備金含む)

事業内容:3Dプリンター住宅の開発及び販売

■セレンディクスについて

当社は日本初の3Dプリンター住宅メーカーです。2022年3月に日本初の3Dプリンター住宅「serendix10」を23時間で完成以降、2023年には販売第1号として長野県佐久市に施工、納入いたしました。セカンドモデルである「serendix50」は、2人世帯向け3Dプリンター住宅です。50平方メートルの広さがあり、キッチン、バスルームなど水回りも備えます。また2024年2月に「日・ウクライナ経済復興推進会議」において、ウクライナの復興住宅建設に関して現地の建設会社と覚書を締結。設計データの無償提供を行うほか、防爆試験等も行い、安全性についての検証も予定しています。

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