餅食文化 肌で 一関・世嬉の一 園児が田植え

世嬉の一敷地内で田んぼにもち米の苗を植える愛心幼稚園の園児

 一関市田村町の世嬉の一(佐藤航代表取締役社長)敷地内にある小さな田んぼで16日、近くにある愛心幼稚園(力石智子園長、園児85人)の園児がもち米の田植え作業を体験した。

 酒の民俗文化博物館前に設けた約3メートル四方の田んぼで行われた田植えには年長児32人が参加。同社社員から「尻もちをついたり、植えた苗を足で踏まないように注意しましょう」と説明を受けた後、素足になって交代で田んぼに入り、ヒメノモチの苗を植えた。

 園児たちは、慣れない泥に足を取られながらも先生や保護者の手助けを受けて1株ずつ手植えを行い、田んぼの中に並んだ苗の様子に満足げな表情。

 作業後は、同社から全員にあんことずんだ、しょうゆで味付けした餅が振る舞われ、園児は「田植えは初めてだけど楽しかった。あんこ餅が一番好き」と語り、おいしそうに餅を頬張っていた。

 園児による田植えは、米作り体験を通して子どもたちに一関地方伝統の餅食文化に触れてもらおうと、同社が20年以上前から続けている取り組み。

 収穫期の10月には園児が再び田んぼを訪れ、手鎌での稲刈りに挑戦する予定。

© 岩手日日新聞社