「水沢小唄」情報求ム 企画展契機に再興へ 奥州・後藤新平記念館

関連情報を求めながら初公開されている収蔵資料の「水沢小唄絵葉書」

 奥州市水沢大手町の後藤新平記念館(佐藤彰博館長)で、2024年度第1回企画展「新収蔵資料展―秘蔵墨跡と嗚呼懐かしの水沢小唄」が開かれている。市内外の個人から寄贈、寄託された新たな収蔵資料31点を初公開。このうちタイトルにもある「水沢小唄」については資料が少なく、同館で企画展を契機に音源や振り付けの教本、映像などの情報提供を求めている。

後藤新平記念館で開かれている企画展「新収蔵資料展―秘蔵墨跡と嗚呼懐かしの水沢小唄」

 展示資料のうち6枚組みの「水沢小唄絵葉書(はがき)」は、1943(昭和18)年に観光案内のために作られ、1番から6番までの歌詞を1枚ずつに分けて印刷し、歌詞に登場する後藤ら「水沢の三偉人」や水沢公園のサクラなどの写真を小さく、踊り手の写真を大きくあしらっている。

 「水沢小唄」そのものは31(昭和6)年に作詞作曲されてレコードが売り出され、若柳吉郎さんによる振りも付いていたという。80年前後に復刻に取り組む動きがあり、92年に市内で第1回水沢小唄をしのぶ会が開かれた記録は残るものの、同館が所蔵する資料は乏しい。

 企画展では、同館が入手した4番までのレコード音源を試聴できるようにしているほか、37(昭和12)年に水沢公園で行われた後藤新平旧宅保存工事落成式の記録映像を上映。この映像は無音声だが、「水沢小唄」と書かれた舞台袖のめくりと踊り手の女性たちが断片的に写っている。

 展示期間は6月16日まで。入館料は一般・大学生200円、小中高生無料。月曜日休館。開館時間は午前9時~午後4時30分。情報の提供は同館=0197(25)7870=まで。

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