曇りでも宇宙から地上を撮影できる「SAR衛星」–QPS研究所が「ツクヨミ-Ⅱ」の初撮像を公開

小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を手掛けるQPS研究所(福岡市中央区)は、小型SAR衛星「QPS-SAR」7号機「ツクヨミ-II」の初画像(ファーストライト)を公開した。

SAR衛星は、衛星から電波(マイクロ波)を照射し、その反射をアンテナで捉えて地表を観測する衛星だ。電波は雲を透過し、太陽光も不要なため、夜間や悪天候時も撮像が可能だ。

「ツクヨミ-Ⅱ」は2023年に打上げられたQPS-SAR6号機「アマテル-Ⅲ」、QPS-SAR5号機「ツクヨミ-Ⅰ」に続いて、SAR衛星コンステレーションを構築するための3機目の商用機となる。 Space Exploration Technologies(SpaceX)の「Falcon 9」ロケットで日本時間4月8日に打ち上げられた。

ファーストライトは鹿児島県の鹿児島市、鹿児島県の桜島、大阪府堺市を観測したものだ。

鹿児島県鹿児島市(撮影時の天候は晴れ)
鹿児島県桜島(撮影時の天候は晴れ)
大阪府堺市(撮影時の天候は曇り)

今後は、姿勢制御の調整を行いつつ、アジマス、レンジ、分解能がともに46cmの高解像度モードでの観測を開始するとしている。

© 朝日インタラクティブ株式会社