ウナギ養殖で新たな挑戦!新潟のハンコメーカー・大谷がウナギの養殖事業に参入【新潟・江南区】

異業種の”五刀流”

稚魚が減り価格の高騰が続いていますが、ウナギの養殖事業に新潟市のハンコメーカーが参入しました。

■ハンコメーカーの大谷 堂田浩之取締役
「ここでウナギを養殖しています。本当に育つのだろうかと思いながら試行錯誤しながらやっています。」

養殖用の池にいたのは5000匹のウナギ。近く追加で5000匹を仕入れます。新潟市江南区に本社を置くハンコメーカーの大谷は2年前、養殖業の許可を取得。ペーパーレスによるハンコ離れが進む中、様々な業種に参入しています。これまでにパンや、うどんの店などをオープン。中でも、2021年から始めたウイスキー事業が好調で、来期は1億5000万円の収益を見込んでいます。

■ハンコメーカーの大谷 堂田浩之取締役
「(Q.あの大谷さんは二刀流ですがこちらは?5刀流ですね。」

ウナギの養殖は、ウイスキーの醸造と深いかかわりがあります。水が冷たいので隣にあるウイスキー工場から温水を引っ張ってきて、この中の熱交換をすることで年中温度を26℃くらいに保つシステムになっています。

ウイスキーの醸造によって出る70℃の温水。1日4tから8t排出されるため、温水の熱を養殖に利用できないか検討していました。ウナギを提案したのは堂田さんの妻・尚子さんでした。
■大谷ゆめみらい管理者 堂田尚子さん
「夕飯時に夫婦で話していたところ、大食いをされる女性のタレントさんがウナギを食べていたんですよ。ウナギの養殖は?って考えたことなかったけど、どうだろうねと話があがりまして。」
■ハンコメーカーの大谷 堂田浩之取締役
「調べてみなきゃ分からないというのが尚子の口癖なので、ウナギはできないという前に調べてみようと。」

ウナギの養殖には25℃から30℃の温水が必要ですが、ウイスキー醸造の温水を使うことで経費を抑えることができるとしています。
■ハンコメーカーの大谷 堂田浩之取締役
「ウイスキー工場の排熱を使うことで、数百万かかるはずのコストがかからないというのがメリットだと思う。」

仕入れているのは成長が遅く、通常であれば川に流されるウナギです。近年、稚魚のシラスウナギの価格は高騰していますが、こちらは比較的安く済むそうです。養殖用の池に多くの酸素を送り込むシステムを導入。ウナギの成長を早め、8カ月ほどで出荷できる見込みです。設備には行政の補助金もあわせて1億3000万円をかけました。
■ハンコメーカーの大谷 堂田浩之取締役
「ノウハウを教えてもらっている会社の方から言わせるとかなり順調で、予想以上に大きくなっているねといってもらっています。」

ウナギの養殖には、社会福祉法人の利用者らも取り組んでいて、障がいがある人の雇用につなげます。
■ハンコメーカーの大谷 堂田浩之取締役
「ウナギの消費自体、日本全国伸びているときく。そういうことをビジネスチャンスにして、なんとかモノにしていきたい。」

大谷のウナギは、年内に県内の飲食店やスーパーに出荷される予定です。

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