森山未來『大いなる不在』本ポスター&新場面写真 ED曲は佐野元春&THE COYOTE BAND

7月12日に公開される森山未來主演映画『大いなる不在』の本ポスタービジュアルと新場面写真が公開された。

本作は、長編デビュー作『コンプリシティ/優しい共犯』でトロント、ベルリン、釜山などの名だたる国際映画祭に正式招待された近浦啓監督の第2作。2023年9月に開催された第48回トロント国際映画祭のプラットフォーム・コンペティション部門にてワールドプレミアを飾ったのち、第71回サン・セバスティアン国際映画祭でコンペティション部門のオフィシャルセレクションに選出。同映画祭の歴史上日本人初となるシルバー・シェル賞(最優秀俳優賞)を藤竜也が受賞するという快挙を成し遂げ、さらにはサン・セバスティアンの文化財団「アテネオ・ギプスコアノ」が最も卓越した作品に与えるアテネオ・ギプスコアノ賞も受賞。そしてアメリカ最古の国際映画祭、第67回サンフランシスコ国際映画祭でもコンペティション部門にて最高賞にあたるグローバル・ビジョンアワードを受賞している。

小さいころに自分と母を捨てた父が、警察に捕まった。連絡を受けた卓が、妻の夕希と共に久々に九州の父の元を訪ねると父は認知症で別人のようであり、父が再婚した義理の母は行方不明になっていた。卓は、父と義母の生活を調べ始めるが――。

森山が主演を務め、その父親役を藤、母親役を真木よう子、そして、物語で重要な鍵となる父親の後妻役を原日出子が演じる。

新たに追加キャストとして、三浦誠己、神野三鈴、利重剛、塚原大助、そして劇作家・演出家・小説家の市原佐都子/Qの特別出演も決定した。

公開された本ポスタービジュアルは、認知症で別人のようになった父(藤竜也)と、長らく疎遠だった末に再会し、父の二転三転する発言に翻弄される卓(森山未來)の、2人の表情が切り取られたもの。畏怖の念をも抱かせる父親のな存在感と、そこに対峙するかのような森山の視線とともに「あなたは誰だ」というキャッチコピーが配置されている。

新場面写真では、卓と相対する父に加え、父の人生を辿っていく卓の理解者である妻・夕希(真木よう子)、そして行方が分からなくなってしまっている義母の直美(原日出子)の姿も確認できる。

また、本作のエンディングテーマが佐野元春&THE COYOTE BANDの最新アルバム『今、何処(Where Are You Now)』の表題曲「今、何処」が起用されていることも明らかに。10代の頃から佐野元春の楽曲と詩の世界に魅了されてきたという近浦監督は、2012年より佐野元春のライブドキュメンタリー、ミュージックビデオなどを数多く手がけている。「今、何処(Where Are You Now)」は、佐野元春&THE COYOTE BANDの6作目のアルバムであり、佐野の全キャリアにおいては通算19作目のスタジオアルバム。全14曲のこのアルバムの最後を締めくくる楽曲「今、何処」で、本作もエンディングを迎えることになる。

あわせて、森山、真木、藤からはコメントも到着。森山は、「(撮影から映画祭、劇場公開までの)丁寧かつ情熱的なプロセスの一環に携われたことを光栄に思います」とコメントを寄せた。

●コメント

・森山未來
2022年に九州で撮影された「大いなる不在」は、これまでに世界各国の映画祭を巡ってきました。近浦監督の実体験に着想を得た物語が、監督をはじめとする素晴らしいクルーによって再構築され、じっくりと醸成されていよいよ日本での上映に至る。
その丁寧かつ情熱的なプロセスの一環に携われたことを光栄に思います。観客の皆さまにも楽しんでいただければ幸いです。

・真木よう子
様々な国で人々の心を揺さぶった近浦さんの作品には、私も撮影中何とも言えない感情が沢山湧き立ちました。
しかし、穏やかな近浦さんや素晴らしいキャストの皆様。
この作品に携われた事をとても嬉しく思います。
皆様に観てもらう事がとても楽しみです。

・藤竜也
「大いなる不在」という映画は、出演者のひとりである私が言うのもおかしな話ですが、とてもミステリアスな作品です。実は北九州での一か月にわたる撮影が終わった時でさえ、「大いなる不在」がどんな映画になるのか見当もつきませんでした。試写を見ました。説明できない何かに心を揺さぶられました。トロントでもサンセバスチャンでもサンフランシスコで も、国境、言葉、文化の違いを軽々と越えてしまいました。それが何故なのか・・・。日本の劇場でこの映画が皆様とどのような出会いをするのか、胸が高鳴ります。
(文=リアルサウンド編集部)

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