河合優実の身体が躍動!『ナミビアの砂漠』がカンヌで公式上映【第77回カンヌ国際映画祭】

Q&Aに登壇した山中瑶子監督、河合優実、金子大地、寛一郎

現地時間17日、第77回カンヌ国際映画祭の監督週間で山中瑶子監督作『ナミビアの砂漠』の公式上映が行われ、山中監督がQ&Aで映画『由宇子の天秤』やドラマ「不適切にもほどがある!」などで知られる河合優実を主演に選んだ経緯を語った。

『ナミビアの砂漠』は、19歳で初監督した『あみこ』(2017)でPFFアワード観客賞を受賞し、第68回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に史上最年少で招待された山中監督の新作。何に対しても情熱を持てず、恋愛ですらただの暇つぶしの21歳のカナの日常を描く。せっせとカナの世話を焼く同棲中の恋人ホンダ役の寛一郎、同時進行でデート中のハヤシ役の金子大地もQ&Aに登壇した。

山中監督と河合の出会いは6年前、河合がまだ学生の頃だった。「河合さんが俳優になるちょっと前ですかね、わたしの1作目『あみこ』が劇場公開された際にお客さんとして観に来てくれて、その時に『俳優になりたいです。いつか映画を作る際にはわたしをキャスティングリストに入れてください』と言っていただいたんです」と切り出した山中監督。「『勝気な子が来た!』と思い、その時の彼女の目の輝きをずっと覚えていました。なので、次撮る時は、河合さんがいいなということはずっと思っていたんです」

それから河合の出演作を追っていた山中監督は、「河合さんの身体性をもっと観たいなと思って。なので自分が演出する際には、とにかく彼女の躍動、身体をずっと捉えたいと思っていました。そしてリハーサルをした時に、想定以上で、これはイケる! というのがありました」と本作での狙いを明かす。その言葉通り、大股で歩き、跳ねるように走る姿から、しなかやな身のこなしまで、河合の四肢から発散される若いエネルギーの強さから目が離せなくなる。

河合は「エネルギッシュなシーンもたくさんありますし、山中さんが『河合さんの身体を撮りたいです』と言ってくれていたので、そういうところを大事に、楽しんで、演じました」と念願かなった山中監督との仕事を振り返っていた。(編集部・市川遥)

第77回カンヌ国際映画祭は現地時間5月25日まで開催

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