発生件数は2023年「0」→2024年「10」「熱が菌の増殖を助けてしまう」今の時期から気をつけたい食中毒=静岡

暑い季節に心配なのが「食中毒」。静岡県内では2023年1~5月は0件でしたが、2024年はすでに9件発生し、5月17日も新たに浜松市内の飲食店で1件確認されました。この夏は対策を前倒す必要があるようです。

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静岡市内の弁当店では、対策を進めています。

<天神屋取締役本部長 野尻崇生さん>
「去年の暑さを今年はさらに上回ってくるという予測なので、例年よりも1か月前倒しで調理方法の変更を実施していく」

厚生労働省によると食中毒は、真夏よりも5月、6月に多く発生しています。

<天神屋取締役本部長 野尻崇生さん>
「お弁当で一番危険なのは蒸れることなので、お弁当の温度が下がるように粗熱を取っている状態です」
Q.熱を取ることが大切ですか?
「熱が菌の増殖を助けてしまうので完全に粗熱を取った状態で蓋をする」

お弁当に蓋をするときは湯気が見えなくなってからにしてください。

<天神屋取締役本部長 野尻崇生さん>
「食中毒菌を死滅させる温度として中心温度が75度以上の加熱を1分以上というのが設定されているので、それに準じて調理している」

食中毒は、手についた細菌が原因で発生します。「丁寧な手洗い」は欠かせません。

<天神屋取締役本部長 野尻崇生さん>
「指の間とか親指の付け根、手首の辺りとか爪ですね」
Q.手洗いは食中毒対策の中でもどれぐらい大事なことですか?
「基本中の基本なので、一番、大事だと思います」

手についた細菌が食材や調理器具などに移り、それが食中毒の原因になります。静岡県でも、手洗いの重要性を呼び掛けています。

<静岡県衛生課食品監視班 岩佐浩行班長>
「長い時間をかけて手洗いをするよりも2回せっけんをつけて洗った方が細菌や汚れがよく落ちることがわかっている。トイレに行った後や調理を始める前に肉、魚を触った後には2回手を洗ってもらうのがいい」

<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
運動会シーズンでお弁当を作る機会が増えてくるかと思いますが、避けた方がいいことは…。

・トマトのへたは取る、複雑な形には細菌が潜みやすいため
・傷みやすいため、生野菜は一緒に入れない
・菌を死滅させるため、肉魚はしっかり加熱する
・菌が増殖するため、水分を飛ばして蓋をする

また、家庭で料理が余ったときに使う保存容器を選ぶ際の注意点です。静岡市内にある家庭用品を扱う三保原屋の堀高輔さんによると、プラスチック製のタッパーよりもガラス製の容器の方がいいそうです。熱湯をかけて殺菌できますし、プラスチック製よりも素材に凹凸が少ないガラス製の容器を使った方が細菌が付きづらいからです。

まずは基本の手洗いをしっかりして、食中毒から身を守りましょう。

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