天守閣背に厳かな舞「薪能」2500人を魅了 姫路城お城まつり開幕 山之内すずさんら18日パレード

姫路城を背景に演じられた薪能=17日夜、姫路城三の丸広場(撮影・辰巳直之)

 城下町に初夏の訪れを告げる「第74回姫路お城まつり」が17日開幕し、兵庫県姫路市本町の姫路城三の丸広場で「姫路城薪能」があった。昨年は雨で屋内開催になり、同広場での実施は2年ぶり。かがり火の中、大天守を背に厳かな舞が繰り広げられ、観客約2500人を魅了した。

 会場が静かな熱気に包まれる中、能「経正」で幕が開けた。源平が争った「一の谷の合戦」で討ち死にした平経正の霊が、在りし日を思う姿を優美に披露。ことわざ「泥棒を捕らえて縄をなう」を舞台化した狂言「太刀奪」では、太刀を奪おうとして逆に奪われた男3人のコミカルな言動に客席から笑いが起こった。

 日没後、まきに火が入ると舞台はクライマックスへ。三輪の里(現在の奈良県)の神と僧の交流を描く能「三輪」の幻想的な舞に、観客は息をのんだ。

 まつりは19日まで。18日には姫路城周辺で、神戸市出身のタレント山之内すずさんや元プロ野球選手の鳥谷敬さんが参加するパレードなどがある。(真鍋 愛)

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