【特集】若者の情熱で守られる伝統芸能「巫女爺踊り」26歳の担い手に密着【新潟・長岡市】

伝統「巫女爺踊り」を守る保坂準平さん

長岡市小国地域、太郎丸集落。この集落に160年前から伝わるのが「巫女爺踊り(みこじおどり)」。巫女と老人、2体の人形を操る民俗芸能です。

巫女爺踊り保存団体の高齢化が進むなか、その伝統を守ろうとする若者がいました。保坂準平さん、26歳。本業は会社員で、柏崎市の大型プリンターの製造業務に携わっています。人形踊りのキャリアは10年以上。三河長岡市小国地域太郎丸集落で、人々の生活に根付き愛されてきた、江戸時代から伝わる民俗芸能である2体の人形を使った「巫女爺踊り」の伝統を守るために頑張っています。

160年前の元治元年(1864年)に伝わったとされる人形踊りで、県の無形民俗文化財に指定されています。民俗芸能の若者離れが進むなか、伝統を守るために頑張っています。

4月9日、週末の春祭りに向け、保存会の皆さんが集落センターに集まり、巫女爺踊りの練習が行われていました。座ってユーモラスに踊る「ジサ」。立ってあでやかに踊る「アネサ」。人形一体を、それぞれ二人で操ります。保坂さんは人形踊りのジサを担当。本番の1曲目「太郎丸おけさ」では、保坂さんが頭と胴体。もう一人が腕を動かします。

人形踊りのほかに人が踊る「手踊り」があり、この2つの踊りで巫女爺踊りは構成されます。毎年4月、太郎丸集落にある新浮海神社(しぶみじんじゃ)の春祭りで奉納されてきた巫女爺踊り。若者の都市流出により一時中断しましたが、約50年前、保存会ができ伝統を守っています。2001年には、ビッグスワンのこけらおとしでも披露されました。

4月14日、いよいよ春祭りの日を迎えました。練習や着替えを行っていた集落センターは、実は神社のすぐ隣。シャッターを開けると、そこが巫女爺踊りの舞台です。
集落の人たちが待ちに待った、年に一度の春祭り。2体の人形を連れ、集落を回り、神社にお参りをします。神事が終わると踊り手の皆さんは、巫女爺踊りの準備に入ります。

開演20分前。集落の人たちが集まってきました。ステージ裏で、最後の確認をする保坂さん。さあ、いよいよ開演です。
まずは1曲目。保坂さんが頭と体を操る「太郎丸おけさ」です。お客さんからはおひねりも!続いて、保坂さんがジサの手を操る「追分」です。相方の北原さんとの息もぴったり。ユーモラスなジサの動きに注目してください。

保坂さん、見事に人形踊り2曲をやり終えました。最後は、お客さんも参加して踊る「おけさ総立ち」。巫女爺踊りを締めくくります。

© 株式会社新潟テレビ21