県社福会館、鞍月に移転 金沢西高校庭が候補、県6月補正

石川県社会福祉会館の建て替え候補地として検討されている金沢西高周辺。赤枠内が移転を検討している敷地=金沢市内(ドローンから)

  ●名物「空中廊下」撤去へ

  ●グラウンドは校舎横で整備

 老朽化が進む石川県社会福祉会館(金沢市本多町3丁目)について、県が同市鞍月3丁目の金沢西高第2グラウンドでの建て替えを検討していることが17日、分かった。懸案だった移転先にめどが付いたことで、隣接する旧県立図書館の跡地と合わせて約1ヘクタールの土地を緑地化する計画の進展が期待される。西高グラウンドは校舎西側に再整備される方針で、同校のシンボル的な存在である校舎と現グラウンドをつなぐ約70メートルの「空中廊下」は撤去される見通しだ。

  ●跡地は緑地化

 県は今年度から社会福祉会館移転に向けた基本構想を策定する方向で、6月補正予算案に関係費を盛り込む。

 会館は1966(昭和41)年9月に建設された。県社会福祉協議会など約30の福祉関係団体が入居しているが、築57年が経過し、建て替えの必要性が指摘されていた。

 移転先は金沢西高第2グラウンドと、県関係者の駐車場を含む敷地で面積は計2万5千平方メートル。移転先の敷地は現会館の4倍以上の広さがあり、駐車スペースが確保しやすく、アクセス面でも利便性が向上するとみられる。

 第2グラウンドは校舎と大徳川を挟んで隣接しており、生徒らは行き来する際に川と道路の上に架かった連絡通路を利用している。グラウンドは2万8千平方メートルの県有地(畝田用地)に移すため、98年に現校舎が完成してから使われている連絡橋は役目を終えることになる。

 社会福祉会館を巡っては、昨年10月に馳浩知事が金沢経済同友会の提言に応じる形で現在地からの移転を明言、合わせて周辺を緑地化する意向も示していた。

 新たな会館には、来館者が交流できるエリアや障害者の作品の展示エリアなどを設けるほか、リモート会議ができる研修室も設置する方向で、能登半島地震を受け、福祉関係者の拠点としての活用も視野に、防災機能を高めることも検討する。

現在の県社会福祉会館=金沢市本多町3丁目

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