青いバナナ、まっ黄色のバナナ、茶色の斑点があるバナナ…最も「ダイエット」に効果的なのはどれ?【医師が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

適当にバナナ選びをしている人が知らない真実があります。実は、バナナのなかには特別ダイエットに適しているものがあるのです。本記事では順天堂大学医学部教授の医師、小林弘幸氏による著書『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット 超シンプルな腸活健康法』(アスコム)から一部抜粋して、ダイエットに最適なバナナの見分け方と保存法について解説します。

ダイエットに適したバナナはどれでしょう?

レジスタントスターチを簡単に補給できるバナナですが、選び方にコツがあります。

ここでクイズです。

1.グリーンチップバナナ:茎と先端部分にまだ青み(緑色)が見られるバナナ 2.イエローバナナ:青みがなく全身が黄色のバナナ 3.完熟バナナ:熟成がすすみ、茶色いシュガースポットが全体に現れているバナナ

[図表1]グリーンチップバナナ [図表2]イエローバナナ [図表3]完熟バナナ

ひと口にバナナといっても、熟成度によって違いがあるのをご存じですか?

熱帯~亜熱帯で栽培されるバナナは、日本で消費されるそのほとんどが輸入。日本には未成熟の「青バナナ」で届き、成熟するに従って黄色く変化していきます。

ボディは黄色くなったものの上下の先端に緑が残っているのが「グリーンチップバナナ」、完全に黄色くなったものが「イエローバナナ」、そして、完熟して茶色いシュガースポットができたものが「完熟バナナ」です。違いは見た目だけではなく、成熟するに従って果肉がやわらかくなっていきます。

そして、ここが重要です。

成熟していくうちに、バナナに含まれるデンプンが分解されて糖化していくので甘さを増していき、逆にレジスタントスターチの含有量は減っていくのです。つまり、レジスタントスターチは腸活の鍵をにぎる栄養成分ですから、選ぶバナナによってダイエット効果に差がでてくるわけです。

ですから先ほどの「ダイエットに適したバナナはどれ?」のクイズの答え。

正解は1の「グリーンチップバナナ」です。

理由はもうわかりますよね。3つのなかで一番レジスタントスターチの量が多いからです。

以前は圧倒的に「イエローバナナ」が主流でしたが、最近は「グリーンチップバナナ」もスーパーでもよく見かけるようになりました。

また、ほのかな酸味があり、甘みもさっぱりしているので、食べ続けやすかったり、料理などに加工がしやすかったりという、継続のしやすさといった観点の利点もあります。

ダイエットのためには、コンビニやスーパーなどで、できるだけ成熟がすすんでいない「グリーンチップバナナ」を選んでください。とはいえ、「イエローバナナ」や「完熟バナナ」のいずれもレジスタントスターチの量は減りますが、完全になくなるわけではありません。「グリーンチップバナナ」だけしか意味がないと神経質になって探し回ったり、成熟してしまったバナナを見て、がっかりしたりする必要はありません。

どんなバナナだとしても毎朝食べるということがなによりも重要です。

バナナの保存の仕方で、ダイエット効果が変わる

これまで、朝にバナナを食べることで、腸が元気になり、ダイエット効果を上げられるとお伝えしてきました。

それなら、バナナをまとめ買いして、早速はじめたい!と思っているあなたに、ちょっとだけ注意。バナナは、あっという間に熟してしまいます。先ほど紹介したように、グリーンチップの状態のバナナがレジスタントスターチの量も多く、ダイエットに適しているといえます。

しかし、せっかくグリーンチップの状態で買ってきても、そのまま置いておくと、翌日には黄色く熟してしまうことに、驚く人も多いでしょう。では、できるだけ熟すのを遅らせて、栄養成分が変化しないようにするにはどうしたらいいでしょうか?

まず、購入時に入っていた袋からは、出すのが大前提。袋に入れたままだと、バナナ自体が発するエチレンガスが袋に充満し、より熟成が進んでしまいます。

袋から出したら、房から1本ずつに分けます。房のままで置くと、上にのったバナナの重みで下部分のバナナがつぶれて傷んでしまいます。

また、バナナは南国の果物なので、温かい温度の場所を好みます。常温で置けばすぐに熟れてしまい、逆に冷えすぎると黒く変色してしまうという特徴があります。

そこで、1本ずつに分けたバナナは、新聞紙で1本ずつくるみ、冷蔵庫の野菜室で保存するのがベスト。野菜室は冷えすぎないように温度設定することも大切です。

[図表4]ダイエットに適した保存法

小林 弘幸
順天堂大学医学部教授

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