共栄学園高の「のあめい」ペア 5位に入った「ビーチバレーボールU19アジア選手権」後初めてインドアのコートへ【関東大会東京都予選】

令和6(2024)年度春季大会兼関東大会予選(東京女子)最終日が5月12日(日)に十文字高、文京高(ともに東京)で行われた。準優勝の共栄学園高は、宇都木乃愛、森愛唯がともにスタメン出場。5月1日(水)から5日(日)にローイエット(タイ)で開催された「2024ビーチバレーボールU19アジア選手権大会」で日本トップの5位に入ったペアが、成長した姿を見せた

宇都木(右)と森の「のあめい」コンビ

高い跳躍力と

広い視野で攻撃の軸に

床を蹴って、高く跳ぶ。バレーボールを始めて何度も体に染み込ませてきた動作に、感覚の変化が起きていた。5月6日にタイから帰国し、初めてのボール練習。想定以上に体が浮き、最高到達点から見える世界はこれまで以上に開けた。ボディーコントロールが難しい砂上とは違い、森愛唯は「跳びすぎてしまって、ケガをしそうな感じでした」と笑う。「アキレス健を切らないでね」と言い合うほど増したジャンプのキレは、今年4度目の下北沢成徳高との決勝でも生きた。

目の前にそびえ立つのは身長180㎝台の高い壁。だが、「のあめい」の2人は苦にしなかった。

「ブロックが見える」

「のあ」こと宇都木乃愛はブロックアウトで指先を狙って力強く弾き飛ばすと、広くなった視野を生かして空いたコースに技ありのフェイント。「めい」こと森は床を強く蹴り、思いきりよくブロード攻撃を決めた。第1セットは17-20と追う展開が続きながら、終盤に逆転。セットを先取し、勝利に王手をかけた。

その後は連続でセットを落とし、ライバルに今年2度目の敗戦。ともに課題に挙げたのはディフェンス面で、森は「ビーチバレーでは一人で位置取りをしてブロックに飛びますが、まだ隣の人と声を合わせてプレーすることができていなかった」と悔やんだ。だが、それ以上に成長を実感するシーンも多かった。

「相手コートがよく見えるようになって、ジャンプ力も少し上がった気がしました。打点も高くなり、いいスパイクが打てたと思います」(森)

「(インドアの)練習をしてからまだ3日ほどですが、なまらずにしっかりと自分のプレーをすることができました。以前よりもスパイクやサーブを強く打つことができてよかったです」(宇都木)

高いブロックにも冷静にスパイクを放った宇都木(コート奥)

1年生時からペア結成

目指すは憧れのOG

昨年度は春高にも出場した2人だが、1年生時からインドアと並行してビーチバレーボールにも力を入れてきた。昨年の国体では全国優勝。宇都木が「すごい人たちに教えてもらった」と感謝するように、今年2月のスロベニア合宿やU19アジア選手権大会の事前合宿を通して、相楽(藤田)幸子氏や坂口由里香氏らの指導を受け、レベルアップを続けてきた。

迎えた初の国際大会。ギリギリのボールにも食らいつき、そこから展開する速くて力強い攻撃を持ち味に、男女通じて日本トップの5位に。その結果、8月27日(火)から9月1日(日)に商洛市(中国)で行われる「ビーチバレーボールU19世界選手権大会」の出場枠を獲得した。だが、森は「自滅してしまった部分が多かった。それがなかったら勝てたと思います」とさらに高みを見据える。

今後も「ビーチバレーを続けたい」と語る2人が目標に掲げるのは、共栄学園高のOGで、「のあまゆ」ペアとして知られる衣笠乃愛と菊地真結。その存在に近づくためにも、高校ラストイヤーの思いを新たにした。

「インドアとビーチを両立して、どちらでも日本一になれるように頑張っていきたいです」(森)

まずは6月のインターハイ都予選を突破し、その第一歩へ。秋本美空ら同級生とともに、「のあめい」がチームを引っ張る。

得点が決まり、笑顔を見せる#4森。頼れる同級生とともにまずは全国大会出場を目指す

宇都木乃愛

うつぎ・のあ/3年/共栄学園中(東京)出身/身長165㎝

愛唯

もり・めい/3年/共栄学園中(東京)出身/身長171㎝

文・写真/田中風太(編集部)

令和6(2024)年度春季大会兼関東大会予選(東京女子)最終日 試合結果は

The post first appeared on .

© 日本文化出版株式会社