食道がんステージ4の西村修、抗がん剤で劇的変化 病院でスクワット「1日200回」

地元大塚公園は“ラジオ体操発祥の地”、現在の体調を語った西村修【写真:ENCOUNT編集部】

第2クール終了 CT検査で分かった「非常に明るい兆し」

食道がんステージ4を告白したプロレスラーで文京区議会議員の西村修が、抗がん剤投与によりがんが3割縮小したことを明かした。第2クールを終え、16日にCT検査を受けたところ分かった。主治医も驚く反応ぶりに、西村は「このままの調子でより縮小させて、最終的にはゼロを目指す」と決意を新たにしている。

「入院前の写真、1クール目終わったときの写真、今回2クール目終わってからの写真、3つ比べて、特に1クール目終わってから急激にがんが縮小しているのが見えます。3割ぐらいは縮小してきたって医者からは言われました。非常に明るい兆し。医者がびっくりするぐらい急加速している」

西村は入院1週間、退院2週間を1クールとし、全6クールの予定で抗がん剤治療を受けている。

西村が見せてくれた抗がん剤投与前のCT画像と、第2クール後の画像を比較すると、目に見えてがんが縮小していることが見て取れる。

体では効果を実感していた。左上半身全体にがんが転移していた西村は、今年に入り、絶えず痛みと格闘していた。

「特に左の胸と脇腹がきつかったんですけど、徐々に痛みの範囲が狭まっているのが実感できるようになって、うつ伏せと仰向けがマックス5分までできるまで改善しました。今までは本当に5秒10秒の世界。5秒10秒でもう激痛でした」

それでも画像を撮るまで確信を持てずにいたが、正式に効果が出ていると証明され、安堵(あんど)の表情だ。

「うちの子どもが遠足だったので、診察には私1人で行ったんです。先生も自信があったんでしょう。いきなり診察室に入ったら『今日は奥さんは?』と最初に言われて。だから奥さんに見せたかったんですよね。だって今まで涙しか出なかったから。これだけ縮小が始まっていますよっていうのを言いたかったんでしょうね」

懸念された抗がん剤の副作用もほとんどないという。

「副作用でもっと弱っちゃうのが大半な部分で、おかげさまで(大きな)副作用なしですからね。抗がん剤を打っている間のふらっとしている、酩酊(めいてい)しているような感覚の倦怠感はあるんですけども。先に自分で坊主頭にしちゃいましたけど、今のところ脱毛もないですし、極めて順調です」

経過良好な理由は、食欲が衰えていないことだ。さらに入院中も毎日スクワットを行うなど、プロレスラーならではの体力作りを心がけている。

「スクワットは朝100回、夕方100回。病院の中でも1日200回は毎日やっています。ただ階段上ったり下りたりは、点滴がありますからできないのと、目標は毎日ジムなんですけど重いものが持てないんですよ。まだ左の方に患部が残っているものですから」

病気前のプロレス流トレーニングに比べれば満足していないが、体を動かすことが、前を向く力を後押ししているようだ。

もちろん、まだ安心などできる状況ではない。相手はかつてない難敵だ。しかも、「心臓と脳以外は全部がん。全身転移。お腹、へその下まで」と当初の想定より、がんが広範囲に広がっていたことを強調。あくまでも最初の一歩を踏み出した過ぎないと感じている。

入院中も点滴で抗がん剤を投与しながらスクワットを欠かさない【写真:本人提供】

自身の哲学にも変化「常識が180度崩された」

ただ、抗がん剤に対する不安・不信感はぐっと少なくなっている。

1998年、1回目のがん(後腹膜腫瘍)を患った西村は、手術のみを選択し、化学療法は受けなかった。さまざまな医師に助言を求める中、食事療法や人間本来の免疫力を上げる東洋医学と出会い、治療の柱としてきた。

「東洋の理論と西洋の理論があるとするならば、私自身、本当に99%ぐらい、26年間東洋一辺倒で向き合ってきました。今回科学の力というのをまざまざと実感しています。抗がん剤は効かないという理論が強い中で、こんなに抗がん剤が効くんだなと。体調が悪くなって、(事実上の告知を受けた)3月14日からどん底。お先真っ暗の状態だったのが、ようやく確実な変化が見えた。今まで感覚でしかなかったのが、こんなに効果てきめんだってことですよね。だから自分自身の常識が180度崩されちゃっていますよね」

21日からは再び入院し、第3クールが始まる。「来週火曜日から3クール目に突入しますけども、このままの調子でより縮小させて、最終的にはゼロを目指す。寛解を目指すしかありません」と力強く言い切った。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

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