防げ!!SNS型詐欺 SNS詐欺にSNSで対抗 詐欺広告に似せ注意喚起 民報社が福島県警と連携

 著名人らが関与する投資サイトをかたり虚偽の投資話を信じ込ませる「SNS(交流サイト)型投資詐欺」や、SNS上のやりとりで恋愛感情を抱かせ支援金名目や投資話で金銭をだまし取る「SNS型ロマンス詐欺」による被害が増加の一途をたどっている。福島民報社は17日、福島県警本部と連携し、位置情報連動型スマホ広告サービス「ロカドプラス」をはじめ、インスタグラムとLINEの両SNSを活用した詐欺抑止啓発緊急キャンペーンを始めた。警察庁によると、スマホ利用者の端末などに直接、注意喚起する手法は全国で先駆的な試み。

 ロカドは行動データなどを基に県内で無作為に選ばれたスマホ利用者の端末のウェブページやアプリ画面に直接、県警監修の啓発用バナー広告を掲示する。「投資に興味がある方に見てほしい」「出会いを求めるあなたに見てほしい」などと詐欺を思わせるバナー広告を表示。クリックすると、詐欺被害に遭わないための対策や心構え、詐欺の手口、被害状況などをまとめたキャンペーン特設ホームページに誘導される仕組み。ヒヤリとしたり、ハッとしたりする効果で詐欺被害を未然に防ぐ狙い。

 県内企業でロカドの取り扱い契約を結んでいるのは福島民報社のみ。7月中旬までの約2カ月間、県内のスマホ利用者に断続的に啓発用バナー広告を表示する。インスタグラムとLINEでは不特定多数のアカウントに対し、特設ホームページへ誘導するバナー広告を示す。

 県警はSNS型の詐欺を喫緊の最重要課題に位置づけ、県民に強く注意を呼びかけている。県警本部生活安全部統括参事官の赤松正広生活安全企画課長は「SNSを使った詐欺被害を未然に防ぐには、SNS上で対処していかなければならない」としている。

 県警によると、SNS型の投資詐欺とロマンス詐欺の被害合計額は今年1~4月の4カ月間で4億733万円(24件)に上り、昨年1年間の2億2902万円(23件)の約1.8倍に悪化。5月も既に複数の被害が確認されている。

 1月に新NISA(少額投資非課税制度)が始まり、政府が資産運用立国を目指すなど投資への社会的関心の高まりに犯罪グループが乗じている可能性がある。

 SNS型詐欺抑止啓発緊急キャンペーンへの賛同協賛、問い合わせは運営事務局の福島民報社広告局企画推進部 電話024(531)4161(平日午前10時から午後5時まで)へ。特設ホームページのアドレスはhttps://www.minpo.jp/pub/prevPhishingFraud2024/

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