「保育士になりたい」という子ども好きの娘。年収はどのくらいもらえるのでしょうか?

保育士の年収

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」の調査によると、保育士の平均年収は391万4000円とのことです。

年齢別でみると、20代前半の年収が300万円程度で、そこから40代なかばにかけて400万円前後まで、緩やかに上昇します。そこからほぼ横ばいが続き、70代以上になると500万円程度と、最も高い年収となっています。

また、働く地域や役職、勤務形態によっては、平均年収に大きな差が生まれることもあるようです。例えば、東京都の保育士の平均年収は450万円程度ですが、長野県の保育士の平均年収は310万円程度となっており、その差は140万円にもなります。

保育士の方が利用できる補助金制度

自治体により内容は異なりますが、保育人材の安定的な確保や、給与や働く環境の改善を目的に、さまざまな補助金制度が設けられています。ここでは、保育士の方が利用できる補助金制度についてご紹介します。

これから保育士を目指す方向けの補助金制度

これから保育士を目指す方に向けて、必要な入学金や学費、就職する際の転居にともなう転居費用などに対しての貸付金制度が用意されている自治体もあります。例えば、東京都が行っている保育士修学資金貸付事業では、以下のような貸付金が利用可能です。

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・修学資金(月額5万円以内)
・入学準備金(20万円以内)
・就職準備金(20万円以内)
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これらは無利子で借りられ、卒業後に東京都の保育所などで5年間働くと貸付分が全額免除となります。各都道府県の自治体により貸付内容や金額が異なるため、就職を検討している自治体のホームページから確認してみましょう。

現役保育士の方向けの補助金制度

現役保育士の方に対しては、保育士の給与の引き上げやキャリアアップを目的に処遇改善等加算と呼ばれる制度が設けられています。処遇改善等加算には3種類あり、それぞれ内容は表1の通りです。

表1

※内閣府 こども家庭庁「公定価格の処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について」を基に筆者作成

処遇改善等加算Iは、基礎分・賃金改善要件分・キャリアアップ要件分の3つに分けられ、それぞれ条件や加算率が異なります。また、これまで保育園の役職構造は、園長・主任保育士・保育士の3つしかありませんでした。

しかし、処遇改善等加算IIの制度が実施されたことにより、新たに副主任保育士・専門リーダー・職務分野別リーダーという役職が追加され、その役職ごとに手当が支給される仕組みに変更となっています。

例えば、職務分野別リーダーになると月額5000円、副主任保育士と専門リーダーとなると、月額4万円の手当がもらえます。

保育士の平均年収は390万円程度

日本の保育士の平均年収は390万円程度となっています。都道府県によっては、百万円以上の年収差があるところもあるようです。

そのような給与の差や業務改善、働き手の確保のために、国や自治体ではさまざまな補助金制度が用意されています。現在の立場から利用できる補助金制度を確認して、活用してみてください。

出典

厚生労働省 職業情報提供サイト jobtag 保育士
東京都福祉局 魅力ある保育 保育士修学資金貸付事業
大阪府 保育人材確保のための貸付事業
内閣府 こども家庭庁 公定価格の処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について(2、6、10ページ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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