ロシアはハルキウ制圧を目指していないとプーチン大統領 ウクライナ第二の都市

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は17日、ロシア軍は現在、ウクライナ第二の都市ハルキウの制圧を目指していないと発言した。訪問先の中国東北部ハルビンで述べた。

ハルビン訪問で2日間の訪中日程を終えたプーチン大統領は、ハルキウ掌握について「現時点でそのような計画はない」と述べた。他方、ウクライナ北東部ハルキウ州でロシアの国境周辺に「安全地帯」を設けるため、ロシア軍は前進しているのだと強調した。

プーチン大統領は、国境周辺に「安全地帯」を設けることで、ウクライナからの攻撃が頻繁に続く国境沿いのベルゴロド市を確実に守ることが目的だと説明。ウクライナが「(ベルゴロドの)中心部や住宅地を直接砲撃している」として、「これが続くなら、我々としては安全地帯、衛生地帯を設けるしかないと、これまでも私は公言している」と述べた。

プーチン大統領は過去にもそうした「安全地帯」に言及したことがあるものの、ウクライナに関する大統領の公の発言は、実際の行動やウクライナでの目標を反映しないことが多い。

2022年2月24日にウクライナ全面侵攻を開始する直前まで、ロシアはウクライナを侵略したりしないと、プーチン氏は繰り返していた。

ただし、ウクライナ第二の都市ハルキウを制圧する能力がロシア軍にあるかどうか、専門家の多くは疑問視している。ロシア国境から約30キロに位置するハルキウは、技術開発や産業の拠点都市で、開戦前の人口は140万人近くだった。

ウクライナ軍がベルゴロドの住宅地を攻撃しているというプーチン大統領の主張について、ウクライナ側はコメントしていない。ウクライナ政府はこれまでに、製油所などの軍事目標を攻撃対象にしているのだと説明している。

前線は安定とウクライナ

ロシア軍は、ウクライナ北東部の国境から侵入する攻撃を今月10日から開始。国境沿いのヴォヴチャンスク町ではここ数日、市街地で激しい戦闘が続くと報告さsれている。

これについてウクライナ政府は、ロシア軍が国境沿いで複数の町村を掌握したと認めたうえで、前線は安定したと主張している。

、ロシア軍が前進したのは、国境周辺にウクライナ側が三重に設けた防衛線の、最初の線の手前までに過ぎないと述べた。

同様に、ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は、ハルキウ州で「敵は実戦の続く戦闘地域を70キロ近くまで拡大した」と説明した。

ハルキウ市の現地当局によると、ロシア軍はハルキウ市に対して16日夜から17日未明にかけて、ドローン攻撃や砲撃を続けた。

(英語記事 Russia not seeking Kharkiv capture, claims Putin

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