「節約のため」とシャンプーを水で薄める義母。1.5倍にして使用した場合、年間でいくらの節約になっていますか?

シャンプーを水で薄めた場合、いくら節約できる?

プッシュ式の場合、1プッシュは3ミリリットル程度です。
1回に使用するシャンプーの量は髪の長さによって異なり、おおむね以下のとおりです。

__ショートヘア:5ミリリットル(1プッシュ半程度)
ミディアムヘア:6ミリリットル(2プッシュ程度)
ロングヘア:10ミリリットル(3プッシュ程度)__

日本で一般的に売られているシャンプーの平均価格を計算すると、以下の式のようになります。

944円(シャンプーの相場)÷435ミリリットル(平均容量)=2.17円(1ミリリットルあたり)

つまり、1ミリリットルあたり2円程度と考えられます。

したがって、薄めず使用した場合は

2(円)×10(ミリリットル)=20(円)となり、1回20円かかります。

シャンプーを水で1.5倍に薄めたとすると、1回に使用するシャンプーの量は

10(ミリリットル)÷1.5=6.666666……

となり、約6.7ミリリットルです。

この値にミリリットルあたりの単価2円をかけると、13.4円です。

つまり、1回あたり約6.6円の差が生じることが分かります。

毎日1回ずつ洗髪すると仮定して、表1で年間で比較してみましょう。

表1

※筆者作成

年間にすると、1人あたり約2409円の差となります。

シャンプーを薄めて使うメリット

費用の面では、1人あたり年間にして約2400円以上の節約ができると分かりました。
経済的な点以外にも、以下のようなメリットを感じる人もいます。

__●洗浄力がおさえられ、髪が傷みにくい
●シャンプーの使用量が減ることでゴミも削減でき、環境に優しい__

普段使っているシャンプーでは濃すぎると感じる人、詰め替え容器やボトルのゴミが気になる人にとっては、水で薄めるという選択肢は魅力的なのかもしれません。

シャンプーを薄めて使うデメリット

市販のシャンプーは本来、原液のまま使うことを想定してつくられています。
したがって、薄めて使うことには、当然ながらデメリットも存在します。

洗浄力が低下する

水で薄めることにより、シャンプーの洗浄力が低下するおそれがあります。
薄めたシャンプーを原液と同じように使っても、髪や頭皮の汚れが十分に落ちず、脂っぽさやニオイの原因になってしまうかもしれません。

保存が難しい

原液のシャンプーには長期保存しても雑菌が繁殖しないよう、防腐効果のある成分が入っていることがほとんどです。
しかし、水で薄めることにより、シャンプー内に雑菌が繁殖しやすくなるといわれています。

シャンプー容器に水を入れた場合、日数がたつごとに、容器内は雑菌だらけということにもなりかねません。

最悪の場合、悪臭が発生したり、使用によって頭皮が炎症を起こしたりする可能性もあります。

シャンプーを薄めて使うと費用の節約にはなるが、薄め方に気をつけよう

シャンプーを1.5倍程度に水で薄めて使うことで、ロングヘアの場合年間2400円以上の節約ができる可能性があります。

しかし、容器に水を入れたまま長期間保管するのはおすすめできません。

もしどうしても節約のために薄めたい場合や、使用しているシャンプーの洗浄力が強すぎると感じる場合は、使用のたびに薄めるようにしましょう。

手のひらに原液のシャンプーをとってから水を加えたり、別に小さな容器を用意して1回分ごとに薄めたりすれば、雑菌の繁殖をおさえられます。

しかしその場合でも、洗浄力が落ちるのは防げません。「すっきり洗えていないような気がするから」という理由で二度洗いなどしてしまったら、かえってシャンプーの消費量が増えてしまいます。

洗い上がりや髪を乾かしたあとの様子から、求める洗浄力が維持できているかを確認しましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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