花で生活を彩る 中国で日常の花卉消費が拡大

花で生活を彩る 中国で日常の花卉消費が拡大

11日、昆明市にある大型花卉市場、斗南花市を行き来して生花の小包を集荷する中通快逓の斗南鮮花寄逓旗艦店の店員。(昆明=新華社配信)

 【新華社上海5月18日】中国の多くの地域では気温の上昇とともに生花市場も活気づいている。5月1日のメーデーや第2日曜日の母の日、間近に迫った20日の愛を伝える日(520の中国語の発音が「愛しています」を意味する「我愛你」と似ていることから)に花を買うことが多くの中国人の習慣となっている。電子商取引(EC)大手アリババグループ傘下のネットスーパー「盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)」の統計によると、今年の母の日にはオンラインと実店舗で花の売り上げが通常の10倍近く増え、昨年の同時期と比べても40%以上増加した。

 物流大手の中通快逓(ZTOエクスプレス)のデータでは、5月以降、雲南省にある同社の低温物流倉庫から、前年比約80%増となる1日200トン以上の花が発送されている。同社が雲南省から上海市に発送する花は1日約40トンに達し、国内向けの発送量全体の20%を占める。

花で生活を彩る 中国で日常の花卉消費が拡大

7日、徐々に色が変わるシャクヤクの一品種「エッジドサーモン」は、今年ネットで人気が高い花の一つ。(昆明=新華社配信)

 盒馬鮮生では、北京、上海、広州、深圳の四大都市だけでなく、重慶市や陝西省西安市のほか、江蘇省や浙江省の多くの都市でも、今年に入って花の売り上げが50%以上増加している。花は多くの中国の家庭で日常的な消費財となり、この動向が花卉(かき)産業全体の発展に弾みをつけている。盒馬鮮生の生花部門「盒馬花園(フーマーガーデン)」の責任者、呂玲林(りょ・れいりん)氏は「食材を買うついでに花束を買うのが新たなトレンドになりつつある。花を買うのは祝日や特定の機会に限られない」と指摘。仕事帰りや週末に街へ出た時に自分用として花束を購入する人が増えてきていると説明した。

 高品質の花や高級品種の花に対する需要も急増している。盒馬鮮生によると、今年はシャクヤクが生花・切り花部門の売れ筋1位となり、バラ、カーネーション、ユリなどの定番品種を押しのけた。売上高は前年同期比で約50%増加した。今年発売されたサンパチェンス(Sunpatiens、インパチェンスの一種)やカリオペ(Calliope、ゼラニウムの一種)などの新品種も市場で人気を集め、次々と登場する目新しい花の品種が消費者の選択肢を増やしている。

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15日、上海市崇明区の源怡智慧生態花卉拠点で今年発売され、大人気の新品種のカーネーション「甜心(スイートハート)」。(上海=新華社配信)

 モバイルインターネットの時代となり、花の買い方も変化した。町中で花屋の店舗をのぞくことから、スマホを使ってライブコマースの配信ルームを視聴する方法へと変わった。さまざまなECプラットフォームを通じて、花が産地の拠点から消費者に直送されるようになり、中間のさまざまな流通過程が省かれ、価格帯も下がり、売買がより便利になった。中国花卉協会が発表した報告書によると、中国の花卉EC小売市場の規模は全体の半分を占めている。上海市民の張さんは記者に、抖音(Douyin)、快手(クアイショウ)、淘宝(タオバオ)、小紅書(RED)などのアプリを開いて、フォローしている花卉販売業者のライブ配信を見るのが毎日夕食後の習慣になっていると話してくれた。

 物流の分野では、ハード設備の改善からサービスプロセスの最適化まで、花の「見た目」を保つ輸送方法が進化を続けている。中通快逓の統計によると、母の日の時期には1日200トンを超える花が「専用機」による空輸と低温物流の配送ルートを経由して、昆明から北京や上海などの都市に到着し、品質と鮮度を保った状態で、おおむね24時間以内に全国の省都まで届けられた。(記者/張夢潔)

花で生活を彩る 中国で日常の花卉消費が拡大

ECライブ配信を通じて全国に花を販売する生産者。こうした生産者がますます増加している。(3月21日撮影、昆明=新華社配信)

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11日、昆明市にある大型花卉市場、斗南花市の中通快逓の中継倉庫から全国に発送される梱包済みの生花。(昆明=新華社配信)

花で生活を彩る 中国で日常の花卉消費が拡大

昆明市にある大規模花卉市場、斗南花市で生花を買い付ける王宗堂(おう・そうどう)さん。(3月21日撮影、昆明=新華社配信)

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