ラヴェンダー、ミントなど、香り高く、リラックス効果などで知られるハーブの寄せ植えは、鉢の存在そのものが癒やしになります。長年にわたってハーブを育て、その利用法を研究してきた桐原春子さんに、香りを楽しむハーブの寄せ植えを教えていただきました。
寄せ植えを病害虫知らずで育てるポイント、苗の植えつけ方法は↓↓でご紹介しています。
香りを楽しむハーブの寄せ植え
「料理用、クラフト用などと、用途別に寄せ植えを作っておくと便利」と話すのは、園芸研究家の桐原春子さん。
今回は、香りを生かして、美容やクラフトなど暮らしに幅広く役立つハーブ6種の寄せ植えをご提案いただきました。
花が美しいラヴェンダーやポットマリーゴールドと、葉の香りがすばらしいハーブ類の組み合わせは、さわやかに暮らしたい季節にぴったりの寄せ植えです。
鉢の大きさに余裕があれば、ローズマリーを加えてみてください。日々の生活に彩りを添えてくれるはずです。
一年草のポットマリーゴールドは花がすべて咲き終わったら抜き取り、ミントと、根づくとぐんぐん伸びるマートル、クスノキは、1、2年たって鉢がきゅうくつになったら別の鉢に移植します。
ハーブ苗の配置図
各ハーブの紹介
【A】クスノキ
クスノキ科の常緑高木。
地植えにすれば最終樹高は15~30mにもなるが、苗を鉢植えにしてコンパクトに育てることも可能。
茎、葉、根に芳香があり、精油は防腐剤、防虫剤などに利用される。
【B】コモンラヴェンダー
シソ科の常緑小低木。別名イングリッシュラヴェンダー。
素晴らしい香りと美しい花で人気のハーブ。
精油を採取するため、各地で栽培されている。
高温多湿に弱いので、花後は株を丸く刈り込む剪定を行う。
【C】ストエカスラヴェンダー
シソ科の常緑小低木。別名フレンチラヴェンダー、スパニッシュラヴェンダー。
花穂の頂部にうさぎの耳のような苞葉(ほうよう)がつくのが特徴。
早咲きで、花が長く楽しめ、ガーデニング材料としてよく利用される。
この寄せ植えに使っている ‘シュガーベリーラッフルズ’ は、明るいピンク色で人気の品種。
【D】ペパーミント
シソ科の多年草。
清涼感のある強い香りが特徴で、防腐、解毒などの効用があるとされる。
すっきりとした香りは集中力を高めたいときにぴったり。
淡い紫ピンクの花を咲かせ、丈夫でよく生い茂る。
【E】ポットマリーゴールド
キク科の一年草。別名カレンデュラ、和名キンセンカ。
花は黄またはオレンジ色で、一重咲きと八重咲きがある。
花が咲いたら早めに摘み取り、枯れた下葉を取り除くと大きな花が咲き続ける。
【F】マートル
フトモモ科の常緑低木。
和名ギンバイカ。
葉や花に甘い香りがある。
葉はつやがあり、純白の花は輝くような金色のおしべをもち、美しい。
幹は枝分かれしてよく茂る。
西洋では結婚式のブーケにも利用する。
この記事を参考に、香りを楽しむハーブの寄せ植えをぜひ作り、育ててみてください。
撮影/川部米応
※この記事は「ゆうゆう」2016年6月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
※2023年5月23日に配信した記事を再編集しています。
監修者
園芸研究家 桐原春子
英国ハーブソサエティー終身会員。長年、自宅でさまざまな植物を育て、家庭での実用的かつ美しい庭づくりを提唱。国内外の多くの庭を訪れ、ハーブの歴史、育て方、利用法を研究。カルチャースクールでハーブ教室の講師を務める。『知識ゼロからの食べる庭づくり』(幻冬舎)など著書多数。ブログ「桐原春子のハーブダイヤリー」やインスタグラムでも情報を発信中。