イタリア人「まさに神業」 和食料理人の高すぎる技術に感服 お店の味以上に驚いたこととは

ペルージャ大学で教鞭を執るジャコモ・ジョージさん【写真提供:ジャコモ・ジョージ】

海外でも評価が高く、人気の和食。日本に修行に来る外国人や、海外で活躍する日本の料理人も少なくありません。日本に10年間住んでいた経験があるイタリア人大学教授も、和食料理人の技術に感激。通い詰めたお店では、料理の味以上に驚いたことがあったといいます。

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好きな日本食は白子ポン酢 出されたものはなんでも食べるのがポリシー

イタリア中部に位置するペルージャ出身のジャコモ・ジョージさん。日本へ来た当初は、半年で帰国する予定だったそうです。東京大学の先端技術研究所に特任助教授として勤務し、東京での生活は最終的に10年間に及びました。現在は、故郷であるイタリア中部の都市・ペルージャに住み、ペルージャ大学工学部で教授として教鞭を執っています。

出されたものは基本的になんでも食べるようにし、日本の文化を尊重していたというジャコモさん。とくにお気に入りの日本食は白子ポン酢だそうで、「ちょっと食べるのがいい。ただ、イタリア人に白子の説明をすると、みんな顔をしかめるけどね」とお茶目な笑みを浮かべながら当時を振り返りました。

料理だけではなく、内装にも生かされた和食料理人の技術

当時、ジャコモさんは東京都の中央線沿線で暮らしていて、お気に入りのお店があったといいます。

古い梁が美しい一軒家のそば店で、かつて高級割烹料理店で料理長を務めていた料理人が腕を振るっていたそう。店内の至るところに仏像などの彫刻作品が飾られている、趣のある空間で、十割そばが堪能できたといいます。

「仏像はすべて彼の彫刻作品なのです。それを見るだけで、彼の刃物を扱う極められた技術を垣間見ることができるのですよ」

ジャコモさんが通っていたお店に飾られていた彫刻作品【写真提供:ジャコモ・ジョージ】

日本が世界に誇る、職人たちの技。料理の味だけでなく、見た目の美しさやお店の雰囲気に感激する外国人は少なくありません。ジャコモさんも、店主が手がけたすべてのものに感動を覚えたようです。

「夏季限定ではあるけれど、彼が骨切りしたハモを食べると身がふわっとしていて、まさに神業なんだ」

日本には四季があり、旬の食材を洗練された料理人の調理で味わうことができることから、ジャコモさんは日本食が恋しくなることもあるそう。また日本へ来たときは、大好きなお店で舌鼓を打ってほしいですね。

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