[1]子どものカラーコンタクトって許可していいの?そんなお悩みについて、弁護士森崎先生にお伺いしました。

子どものカラーコンタクトって、許可してもいいの?そんな疑問について、弁護士法人C-ens法律事務所代表弁護士 森崎 秀昭先生より、法律の観点から3回に分けてお話いただきました。今回は第1回です。

子どもにカラコンしたい!と言われたら拒否できる?

カラーコンタクト(カラコン)を装着すると、色々なアイカラーになれて、おしゃれで楽しくて、かわいく、かっこよくなれたりしますよね。
思春期や10代のお子さんにとっては、かわいく、かっこよくというのは非常に大切な価値観だと思います。

その一方で、カラーコンタクトは医療用のコンタクトと同じで、適正な使い方をしないと、眼障害を引き起こす可能性があるといわれています。そのため、平成21年11月4日からは、視力矯正用のカラーコンタクトと同じように、高度管理医療機器として医薬品医療機器の法律で規制されているのです。(出典:厚生労働省「おしゃれ用カラーコンタクトレンズについて」)

では、お子さんが「カラコンつけたいよー」と言い出したらどうしましょう?
せっかくですので、お子さんの健全な育成と法律をかけ合わせて、簡単にご説明させていただけたらと思います。

親は子どもの希望を尊重しないといけないの??

大切な我が子の声ですから、その希望を叶えてあげたいと思うのは親心かと思います。その一方で、カラコンを付けたら「目を傷つけちゃうんじゃないの?」「まだうちの子は10代前半だから、カラコンなんて早いのでは?」など親として悩むことはたくさんあるかと思います。
私も、カラコンではないですが、お菓子売り場で悩まされることがあります(笑)

子どもの権利条約って知っていますか?
さて、今から遡ること約35年、1989年11月20日に、国連総会で、「子どもの権利条約」というものが採択されました。

これは、子ども(18歳未満の人)は守られる対象だけでなく、権利をもつ主体であって、大人と同じ一人の人間として権利を持っていることと、子どもならではの成長過程にあった保護や配慮が必要なことを合わせて定めたものになっています。(出典:ユニセフ「子どもの権利条約」)

カラコンの話から、急に国連総会で採択された条約まで飛ぶなんてびっくりですよね!

この子どもの権利条約では多くの大切なことが決まっているのですが(出典:ユニセフ「子どもの権利条約第1条~第40条」)、お子さんの意見を尊重しましょうという原則があります。具体的には、「子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮します。」というものです。(出典:ユニセフ「子どもの権利条約の考え方」)

そして、このような条約を日本も守るぞーと約束をし、2022年6月に「こども基本法」というものが成立しました(こども家庭庁「こども基本法」)。その中には6つの基本理念が表されていて、基本理念の一つに「すべてのこどもは年齢や発達の程度に応じて意見が尊重され、こどもの今とこれからにとって最もよいことが優先して考えられること。」とされています(出典:こども家庭庁「こども基本法」)。

このような基本法から更に一歩進んだ内容は「こども大綱」というものに記載がありますが、簡単にお話をすると、お子さんの年齢やライフステージ、発達特性に合わせて、親や学校、医療現場や社会が変わっていきましょうねというニュアンスになります(出典:「こども大綱」)。

続きます。
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執筆者

森崎秀昭
弁護士法人C-ens法律事務所 代表弁護士

お客様の本質的な成長や幸福を希求する弁護士法人の代表弁護士。法人に対しては、IT、スポーツ・エンターテインメント、知的財産権、事業承継、労務管理などを得意分野とする。個人に対しては、相続、男女問題、借金問題、詐欺被害回復などを通して、より豊かな人生を送ってもらえるようなサービスを構築し続けている。
結婚・育児を経験し、妻・母親の偉大さを実感し、女性が心から輝ける世の中が重要だと思い、家庭や育児(発達に課題がある子も含め)に関する勉強や情報発信も積極的に進めている。

弁護士法人C-ens法律事務所
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