超低空飛行『花咲舞』今田美桜版になくて杏版にあった「2つのもの」 登場の半沢直樹に飛んだ低評価理由

今田美桜、杏 (C)ピンズバNEWS

5月18日、今田美桜(27)主演の連続ドラマ『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系/土曜夜9時~)の第6話が放送される。

『花咲舞が黙ってない』は、堺雅人(50)主演の『半沢直樹』(TBS系)シリーズの作者・池井戸潤氏の小説が原作のドラマ。タイトル通り、曲がったことが大嫌いな銀行員の“花咲舞が黙ってない”作品。『半沢直樹』と同一の世界線の作品でもあり、第5話(5月11日放送)では劇団ひとり(47)が演じる半沢直樹が本編に登場。X(旧ツイッター)のトレンド入りをするなど注目を集めたが――。

「期待された『花咲舞』ですが、初回から第5話まで視聴率が伸び悩んでいますね。本作は2014年4月期と15年7月期には杏さん(38)主演で実写化され、大変人気を博していた。今回は今田さん演じる令和版・花咲舞として放送前から注目されていたんですが、数字は厳しいですね。超低空飛行です」(制作会社関係者)

現在、テレビ各局では13歳から49歳までの個人視聴率であるコア視聴率が重要視されているが、『花咲舞』のコア視聴率は初回(4月13日)が2.0%で、半沢の登場という話題性があった第5話(5月11日放送)も1.7%という低い数字になっている。第5話のコア数字は、同時間の民放キー局番組で最下位でもあった。

今田は好感度が高く老若男女から人気は抜群。演技力も高く評価されており、ドラマのシナリオも基本は一話完結の勧善懲悪で分かりやすい。各トラブルを解決する花咲&相馬健(山本耕史/47)コンビのバディ感も好評だが――。

「やはり、どうしても今田さんと杏さんと比較してしまう声が多いですね。14年当時の杏さんは28歳。現在の今田さんとほぼ同じ年ですが、スタイルやルックスの方向性など、両者はタイプが大きく違いますよね。そのため、必然的に花咲の雰囲気も違っていて、それが合わない視聴者には合わないと。特に、迫力と愛嬌、その2点が杏さん版の方が評価されている印象です」(前同)

■杏に比べて「迫力」の弱さを指摘する声

『花咲舞』は銀行内で起きている、問題事案を解決していく物語。舞が開き直ったり言い訳をしたりする相手を「お言葉を返すようですが!」と一喝して思いのたけをぶつけるのがお約束だが、キリっとした美人系の杏と比べると、今田は童顔で可愛いヴィジュアルのため迫力が足らないように見えるところがあり、

《杏さんが素晴らしいのでそのレベルを求めるのは酷ですが、目を大きく開いて感情的に叫ぶ演技がオーバー》
《あの役は、仕事が出来てその上で正義感強くてつい言っちゃう役なんだけど、そもそも若くて可愛くて、仕事が出来るキャラに見えないのよ。申し訳ないけど》

といった視聴者からの声が、ネットにも寄せられている。

「“愛嬌がない”と指摘されていることに関しては、脚本・演出面も影響していそうです。舞は明るくて竹を割ったような性格だし、仕事が終わるとお酒も楽しむなど親しみやすいキャラクターです。

しかし、杏さん版に比べると今田さん版は舞が思い立ったら即行動に移す姿を強調しすぎているのか、愛嬌を感じにくいところがあるんですよね。杏さんの舞は“愛嬌があって憎めないやり手社員”だったのが、今田さんの舞は“絶え間なくズケズケと絡んでくる新人社員”みたいに見えてしまうんですよね」(前出の制作会社関係者)

また、第5話から登場した半沢直樹に関しても、厳しい声が寄せられているという。

「演じる劇団ひとりさんが合っていない、というわけではありません。ひとりさんは本職が俳優ではないですが、演技力も高い人ですからね。

ただ、第5話放送前に“あの半沢直樹が登場する!”というノリで公式が後ろ姿だけチラ見せしたり、予告でも声が加工されて誰が演じているか分からなくして、“半沢を演じるのは誰だ”というのを煽りまくっていました。それが多くのネットニュースなどにも取り上げられ、大きな話題になっていた。堺雅人さんが演じてきた国民的キャラクターをどの俳優が演じるのか――多くの人が気になっていましたよね。

それで、いざ出てきたのは芸人が本職のひとりさんだった――やはりそれは“肩透かし”という声が出ても仕方ないでしょうし、“逃げ”を感じさせるキャスティングではありますよね。それで、不満の声が噴出している感じですね」(前同)

■「ひらめき」によってキャスティングされたということだが…

堺雅人とは違う俳優が半沢直樹を演じること――これが制作陣や演じる俳優にとってハードルが極めて高いことかは、説明するまでもないだろう。実際、『花咲舞』のプロデューサー・小田玲奈氏は5月5日配信の『WEBザテレビジョン』で、眠れなくなるほどキャスティングに悩んだことを明かし、こう話している。

《池井戸先生には、「(半沢を)出しても、出さなくてもお任せします」とおっしゃっていただいたのですが、やっぱり絶対に出したいと。そうしたらあるときに急にひらめき、その方にお願いした》

しかし、このキャスティングに対しては、

《劇団ひとりの半沢直樹、完全に逃げのキャスティングで嫌い。劇団ひとりが、ではなくこれを通したスタッフが嫌い》
《堺雅人さんの印象があまりにも強すぎて、半沢直樹をやろうと言う役者はいないから、仕方なくお笑い芸人でやれそうな人を選んだら劇団ひとりさんだったと言うことですか?》

といった厳しい声がXにも多く寄せられている。今回の『花咲舞』の半沢は、2013年の『半沢直樹』の時、当時39歳だった堺が演じていた半沢よりも前の時系列のため、もっと若い俳優を使うべきだった、という声も寄せられている。

「落ち着いた顔の雰囲気から松坂桃李さん(35)や吉沢亮さん(30)といった30代の演技派俳優や、そうでないなら思い切って、堺さんのものまねが秀逸で演技力もあるKis-My-Ft2・宮田俊哉さん(35)を期待していた、という声も上がっていましたね。それが本業が俳優でない、好感度が高くて演技もできるひとりさんが演じた――それに、“煽って期待させておいて結果置きに行った”と感じている視聴者が多くいるようです。

そんな事前の話題性もあった第5話もコア視聴率は1%台と向上せず、と。ドラマはすでに中盤を迎えましたが、少々苦しい展開になっていますね……」(前出の制作会社関係者)

この4月の改編で新設された、日テレの『土ドラ9』枠のドラマ第1弾としても注目されていた『花咲舞』。国民的女優への道を突き進む今田の、底力に期待したい。

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