【広島】九里亜蓮〝8度目の正直〟で今季初勝利 新井監督もニンマリ「気持ちのこもった試合」

試合後、ファンと喜びを分かち合う広島・九里亜蓮(左)

広島の開幕投手・九里亜蓮投手(32)が18日の巨人戦(マツダ)に今季8度目の先発。6回途中2失点の内容で、待望の今季初勝利を挙げた。

11年目の右腕は初の開幕投手に抜擢されたが、好投しながらも打線の援護に恵まれない試合もあり、過去7度の先発で未勝利。この日は、そんな苦悩をついに打破した。

2回には3安打と自らの野選で、先に2点を失うなど嫌な流れになったが「野手の方にしっかり守ってもらいましたし、言葉をかけてもらって」とベテラン・秋山らチームメートからの励ましにも勇気づけられ、その後は6回一死三塁まで、97球を費やしながら、失点は2点のみで踏ん張り、追加点を許さなかった。

試合前まで九里の先発時は、5試合も無得点試合があった打線も、一丸となって反攻した。4回に1点を返し、5回には二死二、三塁の好機で、得点圏打率4割5分越えの小園が「亜蓮さんに勝ちをつけられるように」と、巨人・赤星のフォークを左前へ運ぶ2点適時打。3―2と逆転に成功し、九里の勝ち投手の権利を灯す。

6回には2番手・大江から、マスクをかぶった坂倉が右翼席に3号ソロ。攻撃陣は2点ビハインドから逆に2点リードとし、4人の救援陣がG打線の反撃を1点に食い止め、4―3で逃げ切った。

今季初星を飾った九里は「本当に、なかなか勝てなくて苦しかった。みんなに助けてもらった勝ちだと思う」とチームメートに感謝し、ウイニング・ボールを大事そうにポケットにしまい込んだ。

新井監督も「何とか亜蓮に初勝利をっていう気持ちのこもった試合」と、チーム一丸での逆転勝ちで、今季最多の貯金「2」。上位浮上への気運も一気に高まる快勝となった。

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