『世界一やさしい 内向型の教科書』の著者 井上ゆかりさんにインタビュー

こんにちは! リビングふくおか・北九州Web地域特派員のMaximです。5月に入り、外を歩くのがますます心地よい季節になりましたね。

今回はふだんのカフェラテ探索ではなく、5月26日(日)発売の『世界一やさしい内向型の教科書』の著者 井上 ゆかりさんにお話を伺いました。取材では、昨年10月にリポートした糸島市のTAISHO COFFEE ROASTERにご協力いただきました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

インタビューを行ったTAISHO COFFEE ROASTER(糸島市)

自身の内向型気質を知り、活かすまで

2021年に設立したfeppiness株式会社(福岡県糸島市)で、井上さんは現在プロジェクトマネージャーを務めています。同社では起業家や副業をする人向けのコミニュティの運営・コーチング、手帳 pure life diaryの制作販売などを行っています。糸島は海や山も近く、お休みの日には夫婦岩を臨む二見ヶ浦のレストランまで足を伸ばすこともあるそうです。

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著者の井上 ゆかりさん

SNSで「内向型を直さず活かす生き方」を発信している井上 ゆかりさんですが、「内向型」という言葉に出会ったのは2016年。「人の多いところで疲れやすかったり周りと比べて発言するのに時間がかかることは、自分が変なのではないか」と悩んだこともありましたが、過去の職場で相手の話にじっくり耳を傾けたり、じっくり考えてから発言する井上さんの姿勢を評価してくれたのは、内向型の気質を活かしていたからだと気がつきました。

さらに2018年には、あるセミナーをきっかけに「内向型は自分の良さであり、直すのではなく大切にしよう、活かそう」と良い意味でのあきらめが芽生えたと言います。同年に東京から福岡に移住、内向型カウンセラー(当時は内向型コンサルタント)として内向型の人向けに講座やカウンセリングなどを始めました。井上さんはこれまでに『もう内向型は組織で働かなくてもいい』『人生の純度が上がる手帳術』を上梓し、『世界一やさしい内向型の教科書』は3冊目の本になります。

内向型と外向型の違い

井上ゆかりさんは内向型を「静かな時間を求める人」と定義しています。井上さんによると内向型に関する本は海外のものが主流で、内向型を「静かな人」と訳している場合が多いですが、井上さんはカウンセリング経験から「内向型の人にも社交性のあるひとはたくさんいるし、アウトプットが得意なひとも大勢いる」と考えています。

では、内向型と外向型の人の違いはなにか。井上さんによると「心身のバランスの取り方」です。具体的には、疲れたときに内向型の人は一人になる、家でゆっくり過ごす、人の少ない場所に出かけるといった刺激を抑えた過ごし方を好みますが、外向型の人は友達と過ごす、知らない場所に行ってみる、人の集まる場所に出かけるといった刺激を求める傾向にあるそうです。ただし、誰しも内向的な面と外向的な面を持ち合わせておりグラデーションのようにどちらかが気質として濃く出ますが、環境や経験によっても変化するのだとか。

内向型は自分を責める材料ではない

皆さんは「内向型」と聞いてどんなイメージが湧きますか?

「内に向く」という漢字から、井上さんは「内気」「気が弱い」「人見知り」といったイメージを抱かれやすいと言います。学校でも「積極的に手をあげて発言しましょう」「外で元気に遊びましょう」「友だちをたくさん作りましょう」と言われたことがある人は多いのではないでしょうか。

「外向型を良しとする教育を受けて育ってきたがゆえに、静かな時間を必要とする内向型の人は無意識に『こんな自分ではいけない』『こんな自分を変えなくては』と努力をする傾向にあり、それが自己否定につながっている」と井上さんは言います。

内向型の教科書を作りたい

内向型はあくまで気質であり、自分を責める材料ではない。

本書では内向型を再定義したうえで、内向型の人は外向型になる努力をするのではなく、自身の気質を知った上で活かす方法があると知ってほしい。『世界一やさしい内向型の教科書』には井上さんのそんな想いが込められています。

”内向型”と聞いて一番に思い浮かぶ本を作りたかった」と語ってくれた井上さん。巻頭には「内向型度がわかる診断テスト」があり、自分の気質を知ることができます。その上で、内向型は直すべき欠点ではなく単なる気質の違いであり、直さず活かす方法を3つのステップで紹介しています。

「内向型のトリセツ(取扱説明書)としても活用してほしい。自分を内向型かもしれないと思う人から内向型について知りたい人まで、気質に関係なく内向型に興味がある人に手に取ってもらいたい。その上で、内向型の人が他者と比較することなく自分を主語に据えて『私がどうしたいのか』を知るサポートができたら」と井上さんは言います。

今後は教育の現場である学校や法人向けの研修、気質の違いから親子関係で悩む人たちにも内向型の理解を広めていきたいそうです。自分の気質に関わらず、自分を主語にして「私が」どう在りたいのか時間をかけてじっくり考えてみる。

5月26日発売の『世界一やさしい内向型の教科書』を片手に、皆さんも自分と過ごす時間を作ってみませんか?

井上 ゆかりさんのInstagram:

https://www.instagram.com/inoue_yukarii/

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世界一やさしい内向型の教科書

井上ゆかり (著)本橋へいすけ (監修)

定価:1,760円(税込)

ISBN:978-4-418-24600-7

四六判 224ページ

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