【体操】宮田笙子 パリ五輪での〝お姉さん役〟に覚悟「演技での信頼を得ていきたい」

NHK杯優勝を喜ぶ宮田笙子

〝エース〟の自覚が垣間見えた。体操のパリ五輪代表最終選考会を兼ねるNHK杯3日目(18日、群馬・高崎アリーナ)、女子個人総合の2回目が行われ、宮田笙子(19=順大)が3年連続3回目の優勝を果たし、初の代表に決定。1964年東京五輪以来となる団体メダルへ、慢心は一切ない。

指導を受ける鯖江高体操部の田野辺満監督は「(五輪の)団体決勝を想定して、みんなのために演技をしなさい」と宮田に声をかけた。かねて宮田は団体でのメダル獲得を第一目標と公言。だからこそ、宮田は「結局は落ち着いて、いつも通りやることが一番難しい。団体決勝の時だと特に全員の点数が反映されるので、そういった時にどれだけ落ち着いて自分の演技を出し切れるか」。大会前に左脚を痛めた影響で万全な状態ではなかったが、約2か月後の大舞台をイメージして演じきった。

パリ五輪の女子代表メンバー5人の平均年齢は17・6歳。牛奥小羽(19=日体大)ともに最年長となった宮田に対し、田野辺監督は「脚が痛くてももっと若い子がいるので、お姉さん役になっていかなきゃいけない立場。そういった中でやっぱり自分(宮田)がいい演技をしていくことが団体戦、パリを戦っていく上で一番大事」と指摘。

宮田も自身の立ち位置を理解済みで「私は経験が多い方だとは思うので、落ち着いた演技であったり、演技での信頼を得ていきたい。そういう練習を一緒に積み上げていきたい」とチームを引っ張る覚悟はできている。

近年の女子体操界をけん引してきた寺本明日香、村上茉愛らも届かなかった五輪団体戦での表彰台。分厚い壁に挑む宮田は「失敗しない安定感がメダルへの一番の近道だと考えている。自分が『ここでミスしなければ表彰台に上がれたな』と思いたくないし、みんなもそう感じていると思うので、自分が率先して失敗しないようにしたい」。

チームの大黒柱として、悲願のメダルを貪欲に狙っていく。

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