ヒツジなのに「ほたて」、カンガルーの「しじみ」 動物園の?ネーミング、由来を園の人に聞いてみた!

北海道ではなく千葉県生まれだった「ほたて」

誰もが楽しめる人気のレジャースポットのひとつが動物園。多くの動物園ではSNSで動物たちの最新情報などを発信しているので、かわいさに癒されつつ動物の生態も知ることができる。

SNSを見ていると動物たちの名前も気になってくる。「たろう」「だいち」といった人間と同じような名前もあれば、由来が想像できない変わった名前も多い。その中でも特に気になったのが「ほたて」という名前のヒツジ。そこで、「ほたて」がいる周南市徳山動物園(山口県)のスタッフの方に「ほたて」の名前の由来を聞いてみた。

「新しいヒツジを仲間入りさせたいとの計画があり、いろいろと探していたところ、北海道生まれのヒツジが来園してくれるらしいと情報が入りました。そこで『北海道生まれ』『ヒツジの色』などから愛称を考え、『ほたて』に決まりました」

出生地が決めての要因のひとつだった。しかしこの話には続きがあって「じっさいは千葉県生まれでした」というオチがついていた。ちなみにほたては、おいしいものを発見するとすごい勢いで向かってくる食いしん坊な性格だそう。

同園には「シジミ」「はまぐり」「カキ」と貝類の名前を持つパルマワラビーもいる。

「お父さんである『シジミ』は別の動物園からやってきて、既に名前がつけられていました。そこで、生まれてくる赤ちゃんが雄なら貝系で攻めよう……となり、赤ちゃんはどちらとも雄だったため、貝由来の名前になりました」

親の名前と紐づけての命名。ユニークな名前はノリや勘などでつけられているわけではなく、しっかりとした理由があるのだ。

東武動物公園(埼玉県)には、海産物でも魚介類でもない、「まんぷく」という名前のカバがいる。こちらも興味をそそられる名前なので同園に名前の由来をさっそく教えてもらった。

「まんぷくは愛媛県立とべ動物園で生まれ、とべ動物園で来園者様の投票により決定されました。『たくさん食べて元気に育ってほしい』との願いが込められているそうです」

動物園では動物園同士が協力して展示や繁殖を目的とした移動が行われる。「まんぷく」も愛媛県から埼玉県へ引っ越してきたカバだ。赤ちゃんが生まれると投票で名前を決めるのは動物園ではよくあること。「まんぷく」も来園者に名前をつけてもらったカバなのだ。名は体を表すというが「まんぷくはたくさん食べて活発なカバです」とのこと。

今度、動物園へ行った際は動物の生態とともに名前もぜひチェックしてみてほしい。

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