【酒飲みの新常識】「酒の席だから」と油断しては危険‼ その行動、新入社員へのアルハラかも

アルハラには気をつけよう

朝ドラ「虎に翼」で、主人公がビールを飲むシーンがSNSで密かに話題になっていた。「昭和10年代に女性が酒を飲むなんてありえない」「先進的な描写」など、感想はそれぞれ。両親ともに酒が飲めない中、20歳から当たり前のように晩酌をしていた私からすると「ドラマが楽しければ、それでいいじゃん」と思う。そのシーンは昭和10年代が舞台だが、昭和の終わりかけのバブル時代だって、「女性が酒を飲むなんて」という風潮はあった。しかし、酒飲みにとってはそんなのどこ吹く風。自分が飲みたきゃ、好きに飲んだらいいのだ。

では令和になった今はどうかというと、女性が酒を飲むのは特別なことではなくなっている。少し違うのは、20代前半の若い世代の反応だ。新入社員を対象にした飲酒コントロール術のセミナーを行った際、多くの若者が「酔っぱらうことは恥ずかしい」という感覚を持っていることが分かり非常に驚いた。理由を聞くと、「子供時代に両親が酔っぱらっている姿を見て恥ずかしいと思った」「未成年時、酔った親戚の人から酒を強要されたのがトラウマ」などと話す。そうした理由からか、「酒は飲めるけど、あえて飲まない」という若者が多いのだ。これを聞いて深く反省。なぜなら彼ら世代の両親は、ちょうど筆者の年代であるアラカンがほとんどだからだ。

そこで一考しなくてはいけないのが「アルコールハラスメント」(以降アルハラ)である。コロナ禍を経て、飲み会の席の経験値が少ない新入社員に対しては、特に注意が必要だ。具体的には①飲み会の参加を強要する、②一気飲みをさせる、③飲めない・アルコール耐性がない人へ配慮をしない、などがアルハラにあたる。アルハラは場合によっては刑事責任、民事責任を問われる可能性もある。訴訟になった場合は、自分だけならまだしも、所属する企業のイメージダウンにもなりかねないので「たかが酒の席のこと」と軽視しないほうがいい。法曹の世界の人と関わるのは、朝ドラだけにとどめておこう。

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