初投入5Wに鉛ベッタリのパター 畑岡奈紗はクラブ調整で上向きに

畑岡奈紗(撮影/Shizuka Minami)

◇米国女子◇みずほアメリカズ・オープン 3日目(18日)◇リバティーナショナルGC (ニュージャージー州)◇6677yd(パー72)

世界ランキング16位で日本勢最上位を走る畑岡奈紗が、少しずつ調子を上げてきた。「74」で回りカットライン圏外の76位だった初日から、2日目に「69」を出して46位で予選通過。順位が大きく動きやすい3日目を7バーディ、2ボギーの「67」にまとめて通算6アンダー20位に浮上した。

パターのソール全面に鉛を張ったのは「据わりをよくするため」(撮影/Shizuka Minami)

初日に比べて「硬かった体が良い状態になってきた」のに加え、緻密な準備がこの日のプレーを大きく支えた。前週「コグニザント ファウンダーズカップ」でパターのロフト角を2.5度から3度に、今週はソール一面に鉛を張ってD1だったバランスをD3にする調整を行った。

パンチが入るような打ち方を直すために「振り子のイメージ」で打つように取り組んできたが、ロフトが立っていた分「ボールが(地面に)“刺さって”しまって、思ったよりも手前で止まってしまうことが多かった」という。上りのラインで打ち切れずにいたのが悩みだった。

それが、「今は転がりもスムーズになってイメージ通りのパッティングはできている」。前半3番は3m弱を難なく決め、5番では8mほどをジャストタッチでカップイン。7番は1.5mを外してボギーにしたが、すぐ次の8番(パー5)で2m弱を入れバーディを取り返すなどグリーン上で好調なプレーを見せた。3日間の平均パット数は「27」だ。

1カ月以上前から準備してきた5Wを初投入した(撮影/石井操)

ショット面の調整も光り、初日、2日目の反省を込めてこの日は3UTを抜いて5W(ダンロップ スリクソン ZX5 Mk II)を投入した。9番のティショットは2日間とも3Wで対応していたが、着弾地点がダウンヒルの傾斜なこともあって2日目に池に落とした。「3UTと5Wは同じくらいの球の高さが出るが、3UTだとセカンドショットの距離が残りすぎる。5Wの方が距離は稼げるので差し替えた」

この日はフェアウェイをとらえ、2打目でピン奥3m弱につけた。惜しくもパーで上がったが、「5Wはまだ一回も試合で使ったことがなくて。試合で使えるのが分かって良かった。今後のメジャーでも使う機会はある」と1カ月前から用意していたクラブが生きた。

首位とは7打の差がついているが、メジャー「全米女子オープン」前の一戦を好位置で終えられるところに上がってきた。「きょうは絶対に全体的に伸びると分かっていた。自分もついて行けるようにと思っていたので、デッドにピンを狙ってチャンスにつけられたので良かった。あしたもルーティンや攻め方は変えずにひとつでも多くバーディを獲っていければ」と虎視眈々。どの試合でも、ターゲットは変わらない。(ニュージャージー州ジャージーシティ/石井操)

畑岡奈紗(撮影/Shizuka Minami)

<大会3日目のクラブセッティング>
ドライバー:ダンロップ スリクソン ZX7 Mk II(9.5度)
シャフト:三菱ケミカル プロトタイプ(長さ45インチ、重さ50g台、硬さS)
フェアウェイウッド:ダンロップ スリクソン ZX Mk II(3番15度、5番18度)
アイアン:ダンロップ スリクソン ZX5 Mk II(4番~PW)
ウェッジ:クリーブランド RTX 6 ZIPCORE TOUR RACK(50、56、60度)
パター:ベティナルディ SS3 センターDASSプロト
ボール:ダンロップ スリクソン Z-STAR ダイヤモンド

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