「隣車線の車とぶつかりそうになりヒヤッと…」長崎駅前交差点 道路の白線、まぎらわしい?

 「長崎駅前電停横の道路の白線が車線数が減る前のまま残っており、間違って誘導され、隣車線の車とぶつかりそうになり、ヒヤッとした」。長崎新聞の双方向型情報窓口「ナガサキポスト」に長崎市の50代女性からそんな声が届いた。交通量が県内有数とされる交差点。早速、記者は県警と県の道路管理者と一緒に現場に向かった。

長崎駅前交差点イメージ、図A:投稿者の経験、図B:現場で散見されたケース

 現場は国道202号(3車線)に市役所方面からの市道(2車線)が合流する交差点。市道から赤迫方面に右折する車の主な流れは▽市道の第2走行車線(1)から国道の第3走行車線(3)と第2走行車線(4)に入るケースと、▽市道の第1走行車線(2)から国道の(4)と第1走行車線(5)へ入るケースだ。
 そもそも国道は4車線だった。県警によると、2021年12月、長崎駅前電停のエレベーター設置により、(3)の右隣にあった車線がなくなり、3車線に減少。ふさがれた車線は導流帯となり、現在は進入できないようにポールが立っている。
 投稿者は、(1)から(3)に右折する際、(2)から(4)に最短距離で右折しようとする車とぶつかりそうになり、危険を感じたという(図A)。さらに、国道上の路面標示(写真※)により、どの車線に入るべきか迷ったこともあるとした。
 現場で確認すると、確かに(2)から(4)に向かって最短距離で進もうとする車が、(1)から(3)に入る車に接近するケースが散見された。右折後、車線変更禁止を示す黄色の線に差しかかる前に(3)から(4)に変更する車と、(2)から(4)に向かう車が重なる場面も。そこに青信号で国道を直進する車も加わって密集し、進めなくなる状況も相次いだ(図B)。
 県警が調査した同交差点の交通量(4月の平日午後5~6時の1時間)は国道が995台、市道が750台で、市内で交通量が多いのは間違いなさそうだ。県警によると、19~23年の5年間に同交差点で起きた人身事故は15件。右折時の事故は1件にとどまっているが、県警は「ドライバー同士の『譲り合い』によって成り立っている状況」とみる。
 県警などは今回の指摘を受け、同交差点の路面標示について▽※の白線を含めて同じ並びにある白色の実線を破線の誘導線に変更▽(2)から(4)を結ぶ誘導線の設置-を検討しているという。県警交通規制課の木下直義次席調査官は「右折や車線変更をする際は、左右や後方の安全確認に努めることが大切」と呼びかける。
 運転に不慣れな記者にとって難易度の高い交差点。「譲り合い」と「基本」を忘れずにハンドルを握りたい。

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