敵をつくらない今永昇太 米メディア注目「敬意を表して審判に向かって一礼」

カブスの今永昇太(ロイター=USA TODAY Sports)

カブスの今永昇太投手(30)がメジャー史に残る快投を続けている。18日(日本時間19日)のパイレーツ戦は7回4安打、7奪三振、1四球とほぼ完璧な内容で無失点。打線の援護なく6勝目はならなかったが、またもセンセーショナルな活躍を見せた。

開幕から好調をキープする左腕は、9試合中6試合でクオリティースタート(6回以上、自責3以下)を記録。ここまで3失点がワーストで、防御率は圧巻の「0・84」。この数字は、新人先発投手がデビューから最初の9試合でマークした史上最高成績だ。実力で存在価値を示し続けている30歳は、まさにメジャーを席巻している。

振る舞い、メディア対応を含めて愛される選手だ。中でも米有力メディア「スポーツイラストレイテッド」は機微のある視点で、今永らしい〝敵をつくらない〟作法に注目。小走りでマウンドへ向かう姿を写真付きで報じると、日本人らしい礼を重んじる所作を伝えた。

「審判から新しいボールを受け取るたびに、30歳の彼は敬意を表して審判に向かって一礼する」。帽子のツバを触り、球審の目を見てしっかり頭を下げる――。審判だけではなく、見ている周囲の人間にとっても気持ちのいい振る舞いに、ベースボールの本場も虜になっている。

勝利の神様は細部に宿る――。野球少年の手本となる姿がクローズアップされることは、今永にとっても本望のはずだ。

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