デビュー半年・19歳の決意「マリーゴールドのエースに」 弓月→ビクトリア弓月の改名は「最初はなしの名前」

マリーゴールドのエースを狙うビクトリア弓月【写真:橋場了吾】

高橋奈七永戦は「運命でありチャンス」

ビクトリア弓月は、デビュー4か月でスターダムを退団し新団体マリーゴールドに参加した。その設立記者会見が行われた4月16日、リングの上では堂々とした立ち振る舞いをする(実は緊張しているらしい)彼女だが、緊張を隠せなかった。旧名・弓月(ゆづき)からビクトリア弓月に生まれ変わった日、マリーゴールドのエースになると宣言した彼女は、今どのような気持ちでいるのか。(取材・文=橋場了吾)

ビクトリア弓月がスターダムを退団した16日後に、ロッシー小川が設立した新団体マリーゴールドの記者会見が行われた。これまでに黒髪から金髪にイメージを一新して現れた彼女は、リングネームを「弓月」から「ビクトリア弓月」に変えた。登場した7選手の中で、一番変化を感じさせたのが彼女だった。

「小川さんは“昭和”を取り入れたいという気持ちがあって、インパクトを重視してこの名前をつけてくださったんですけど、自分では最初は『なし』の名前でした(笑)。小川さんからは『最初は慣れないかもしれないけど、このリングネームで試合を続けていくことで自分にマッチしていくから大丈夫』と言われて、半信半疑ながら今に至るという感じです」

「ビクトリア弓月」という名前が初めて世に出た日の彼女は、ものすごい緊張と戦っていた。

「スターダムのときの会見とは違う、新しいことに挑戦するという部分で緊張して。そもそも話すのも得意ではないこともあって、あんな風になってしまって……(記者会見を)見返したときも、これはやばいなと思いました(笑)」

その中で、彼女は高橋奈七永にけんかを売る。“昭和”を標榜するマリーゴールドで、唯一の昭和生まれのレスラーに旗揚げ戦での対戦を迫った。

「(高橋は)絶対自分も通る道だと思っていました。数々のパッション注入試合を見てきて、自分もどこかでと思っていたんですが、まさかスターダムを退団して同じ団体になるとはという感じです。これは運命というか、自分が成長するチャンスでもあると。奈七永さんと戦うことが今後の自分に生きてくると思いましたし、マリーゴールドとしてのプロレスストーリーの第1章は奈七永さんからスタートしたいと思って対戦を希望しました」

旗揚げ戦のオープニングマッチという重責を任された【写真:マリーゴールド提供】

「マリーゴールド=ビクトリア弓月」といわれる存在でありたい

5月20日・後楽園ホール。マリーゴールドの旗揚げ戦『MARIGOLD FIELDS FOREVER』のオープニングマッチに、高橋奈七永vsビクトリア弓月がラインナップされた。チケットもすぐに売り切れた。

「新団体のオープニングマッチに選ばれたことは素直にうれしいですし、楽しみでもあります。新しいコスチュームも注目してほしいですね。試合のスタイル自体は大きく変わらないと思いますが、テクニックで魅せたいという部分はデビュー当時から変わっていないので、ローリングアロー(数回転する十字固め)のような自分だけの技は大切にしていきたいです。(完売は)これだけマリーゴールドを楽しみにしてくださっている人がいるんだと実感しているので、わくわくしています」

そしてやはり気になるのは、アクトレスガールズ離脱組の印象だ。

「アクトレスという団体は、エンタメであってプロレスではないと聞いていたので、どんな選手がいるのか楽しみだったんです。動きは凄いし、基礎もしっかりできているんだなという印象でした」

アクトレス離脱組を含めても、キャリアという面では一番浅いビクトリア弓月だが、マリーゴールドでは「エースになる」と宣言している。

「私が考えるエースは、その団体の象徴になるということです。『マリーゴールド=ビクトリア弓月』と思われる存在になりたいという気持ちです」橋場了吾

© 株式会社Creative2