クマで作業中断 倒れていた男性搬送できず

18日に鹿角市十和田大湯で男性が倒れているのが発見されましたが、警察官2人がクマに襲われたため作業は中断し、19日も男性を搬送できませんでした。県内ではクマに襲われてけがをする事故が相次ぎ佐竹知事は入山禁止の場所には立ち入らないよう呼び掛けています。

鹿角警察署によりますと18日に鹿角市十和田大湯の山林で倒れていた男性はすでに死亡していて、搬送する前に警察官2人がクマに襲われけがをしたため作業が中断していました。19日は午前中からヘリコプターで上空から現場の様子を確認したり猟友会が見回りしたりしましたがクマは見つからず男性の搬送はできませんでした。

また18日に同じ山に入り行方が分からなくなっていた能代市の68歳の女性はけさ7時半過ぎ、自力で下山しました。命に別条はありません。女性は「沢に転落した」と話しているということです。

クマによる被害は三種町でも。能代警察署の調べによりますと18日午後5時20分ごろ、三種町森岳の田んぼで近くに住む61歳の男性が田んぼで作業をしていたところクマの足跡を見つけました。男性が足跡をたどると林の中から体長およそ1メートルのクマ1頭が現れ、男性は右足をかまれけがをしたということです。一緒に作業をしていた男性が能代市内の病院に搬送しました。命に別条はないということです。

今年県内でクマに襲われけがをしたのはこの男性で4人となりました。

クマによる人への被害が相次いでいることを受け県は18日夜、佐竹知事などが出席し緊急対策会議を開きました。会議では現場付近を入山禁止にしたことや捕獲用のおりを設置したことが報告されました。佐竹知事は入山禁止の場所には立ち入らないよう呼び掛けるとともに県外からも山菜採りに来る人がいるとして隣県とも連携して注意喚起をしていく考えを示しました。

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