長谷川博己『アンチヒーロー』は謎を一気に回収する“集中型” つながったときの快感は『VIVANT』以上か

長谷川博己(C)ピンズバNEWS

長谷川博己(47)主演の日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系/毎週よる9時)の第6話が、5月19日に放送される。12日放送の第5話の平均世帯視聴率は、前回から0.8ポイント増の10.1%と、再び2ケタに戻して好調。複数の謎がつながり始め、視聴者の考察も盛り上がってきた。

同ドラマは、たとえ犯罪者である証拠が100%揃っていても無罪を勝ち取る、“アンチ”な弁護士・明墨正樹(あきずみまさき/長谷川)が、視聴者に「正義の反対は、本当に悪なのだろうか?」と問いかけるリーガルドラマ。序盤は明墨の意図がいまひとつ見えなかったが、ここにきて、ようやく全体像が見えてきた。

第5話は、明墨の後輩弁護士・赤峰(北村匠海/26)が、連続不同意性交被害事件の3人目の被害者である仙道絵里(早見あかり/29)を偶然を装って喫茶店に誘い、仙道の訴えだけは“でっち上げ”だと主張。さらに、明墨が宇野弁護士(和田聰宏/47)と事件の証拠について話をしている動画を見せ、仙道の証言をゆさぶろうとする。

一方、同じく明墨の後輩弁護士・紫ノ宮(堀田真由/26)は父・倉田刑事部長(藤木直人/51)と会いに実家へ。12年前の糸井一家殺人事件について問うが、倉田は何があったのか教えてくれない。紫ノ宮は「不正をしてまで守りたいものって何?」と詰め寄ったが、後日、答えをもらう前に、倉田は虚偽告訴幇助などの容疑で逮捕され……という展開。

ラストでは、町工場殺人事件で明墨が無罪にした緋山(岩田剛典/35)が再登場。X(旧ツイッター)上では、《12年前に志水さんと金を横領したもう1人が、殺された町工場の羽木社長?》という町工場社長殺人事件と過去の冤罪事件がつながっていることや《予告編で明墨が「あいつの闇をあぶり出す」と言ってたけど、あいつとは伊達原のこと?》など、伊達原検事正(野村萬斎/58)がラスボスなのではないかというさまざまな考察が寄せられている。

■快感は『VIVANT』以上か

「ここまで描かれてきた、5つの事件はつながっています。松永理人(細田善彦/36)と富田正一郎(田島亮/36)の傷害事件は、正一郎の父・富田議員(山崎銀之丞/61)が共通。糸井一家殺人事件と連続不同意性交は倉田刑事部長(藤木)が共通。さらに、町工場と糸井一家の事件は、緋山(岩田)がカギをにぎっていそうです。

これらすべての事件には、おそらく検事正・伊達原(野村萬斎)が絡んでいる。警察、検察、政治家が組んでいる闇の構造をあぶりだすのが、明墨の目的だと思われますが、まだまだ先は読めません」(ドラマライター/ヤマカワ)

謎をふりまき、どんでん返しを見せて盛り上げるパターンは、同枠で昨年7月期に放送さた大ヒット作『VIVANT』によく似ているがーー。

「『VIVANT』は話がどんどん転がっていくことで驚きの連続を演出しましたが、『アンチヒーロー』は広げた謎を一気に回収にいく構造です。あえていえば集中型。すべての謎がつながったときの快感は、おそらく『VIVANT』以上で、考察ドラマの進化版ともいえます。沙耶(近藤華/16)と桃瀬礼子(吹石一恵/41)の正体など、謎はまだ残っているので、これからが楽しみです」(前同)

第6話で、明墨は出版社の女性副編集長の弁護を請け負う。彼女はかつて政治家のスキャンダル記事を書いており、次のターゲットは政界になりそうだ。すべての謎がつながるのはいつか? 今後に期待したい。

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