【日本ハム】チーム奮闘も…新庄監督が気にかける二軍・清宮幸太郎の状態

日本ハム・清宮幸太郎

チームは上出来もやはり気になるのは「あの男」か。昨季まで2年連続で最下位に沈んだ日本ハムがシーズン中盤に差し掛かる5月下旬になっても奮闘を続けている。

シーズン前までの下馬評は圧倒的にBクラスが多かったものの、いざ開幕すると、ここ2年で実力を付けた若手選手らが躍動。昨オフにFAでオリックスから加入した左腕・山崎の活躍もあり19日時点でソフトバンクに次ぐリーグ2位を死守する。

そんなチーム状況だけに新庄剛志監督(52)や球団幹部らはさぞ上機嫌かと思いきや、実はひそかに頭を悩ませている「問題」もある。現在ファームで調整中の清宮幸太郎内野手(24)の一軍復帰が遅れているからだ。

プロ7年目を迎える清宮は今季の覚醒を期待されながらも春季キャンプ直前の自主トレ中に左足首を捻挫。開幕一軍を棒に振ったばかりか、一軍に昇格した4月19日以降もバットは湿りっ放しだった。結局9試合の出場で打率8分3厘という極度の不振に終わり、今月6日に一軍登録を抹消。それ以降は二軍での調整を余儀なくされている。

もっともチームは好調で清宮抜きでも今季は十分に戦えている。にもかかわらず、なぜ清宮の動向にチーム周辺は気をもむのか。その背景にはやはり本人の持つスター性がある。

清宮はプロ入り直後からスラッガーとして注目を浴びたこともあり、今も日本ハムでは数少ない「全国区」の選手。清宮の打棒が爆発すると必然的にファンを中心に日本ハムは盛り上がる傾向にある。球団幹部もその事実を認めながら清宮の必要性をこう説明する。

「何だかんだ言っても幸太郎やジェイ(野村)の人気と注目度は営業面で計り知れない。チームは今、上位争いを続けていますが、そこに生え抜き2人の活躍が加わるかどうかで観客動員やファンのボルテージも変わってきますから。監督も最近は幸太郎の話題を話さないようですが、裏では彼の二軍での状態を本当に気にかけている。ジェイも復調気味ですし、幸太郎はそういう監督の思いなどもくんで発奮してもらいたいんですけどね」

その野村は開幕から不振続きだったが19日のロッテ戦(ZOZOマリン)でついに今季1号を放った。2試合連続安打で状態は上向きつつある。清宮もそんな野村の打撃に刺激を受けたのか19日にイースタン・リーグのヤクルト戦(鎌ケ谷)で2戦連発となる今季2号を放った。この勢いで早期一軍復帰し、これまでの遅れを挽回してくれればチームは首位追撃に弾みをつけられるのだが…。

周囲からの刺激や期待を受け清宮は再び一軍で輝けるのか。指揮官を含めた日本ハム関係者はその瞬間を心待ちにしている。

© 株式会社東京スポーツ新聞社