ケガやコロナだけが理由ではない…伊勢ケ浜部屋の所属力士41人中、約半数が休場のワケ

今場所2日目に右上腕二頭筋を断裂していた伯桜鵬(左)(C)共同通信社

角界一の大所帯部屋で何が起きているのか。

昨19日の8日目、伊勢ケ浜部屋の十両・伯桜鵬が、新型コロナに感染して休場。4日目から休場していた幕下の松井はこの日から再出場したものの、2日から休場した横綱照ノ富士や尊富士などのケガ人以外にも、伊勢ケ浜部屋は所属力士41人中、半数の20人が現在も休場している。

伯桜鵬の他にも体調不良者が出ているとあって、新型コロナの蔓延が濃厚だが、ある親方は「宮城野部屋との合併の影響もあるでしょう」と、こう続ける。

「相撲部屋は関取以外は基本、ひとつ屋根の下で暮らしている。コロナ以前も、誰かが風邪をひけば他の力士も感染することは珍しくなかった。伊勢ケ浜部屋は宮城野部屋の力士を受け入れたことで、所属力士が倍になった。部屋の数が足りず、生活スペースが狭くなったので感染リスクは増している。人数が多すぎるため、稽古後のシャワー待ちが1時間ということもあるようだから、なおさら体調管理が難しくなる」

汗まみれのまま1時間も待たされたら体が冷え、体力が落ち、免疫力も……というわけだ。

「別の事情もある」とは、角界OBだ。

「伊勢ケ浜部屋の休場力士のうち、復帰した松井も含めて宮城野部屋出身力士が19人中10人。もちろん、体調不良者もいるが、引退を検討している者もいますからね。環境が激変したことでやる気を失った者もいれば、伊勢ケ浜部屋の猛稽古についていけなくなった者もいる。もともと、元横綱白鵬が率いた旧宮城野部屋の稽古は緩いと評判だった。なにせ、『午前中に病院に行くから、稽古を休みます』が普通にまかり通っていた。午後から病院に行けばいいだけなのに、つまり、体のいいサボりですよ。そんな力士では、1日何十番と相撲を取る伊勢ケ浜部屋の稽古にはついていけません」

来場所、番付に名前が載る伊勢ケ浜部屋の力士は何人になるか……。

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