「標高1,000m以下」でも絶景の低山! 東北6県・厳選6山

霊山(福島県)見下ろし岩からの展望(撮影:川村亨)

登山やハイキングで絶景を見たくても、長距離の山行は尻込みしてしまう人もいるのではないだろうか。では、高山ではなく絶景が見られる低山であればどうだろうか。本記事では、東北地方の眺望がよい「絶景低山(標高1,000m以下)」を6つ紹介する。

■その1【青森県】阿闍羅山(あじゃらやま・標高709m)

阿闍羅山は、青森県平川市と大鰐町にまたがる山。リゾート地として親しまれており、山頂付近の高原地帯にはゴルフ場やスキー場もある。

阿闍羅山の山頂からは、弘前市街や岩木山(いわきさん)が見渡せる。また、7~8月の早朝には稀に雲海が現れることもある。雲海から岩木山の山体が顔を覗かせる光景は、なんとも幻想的だ。

●阿闍羅山

場所:青森県平川市、南津軽郡大鰐町
標高:709m
登山コース:大鰐あじゃら公園の登山口 往復コース
歩行時間:約3時間10分
歩行距離:約8.3km

■その2【岩手県】氷上山(ひかみさん・標高874m)

氷上山は、岩手県陸前高田市と大船渡市にまたがる山。「氷上花こう岩」という日本最古級の岩石からできており、地球の歴史を垣間見られる場所でもある。

氷上山の山頂からの眺望はすばらしく、山麓に広がる大船渡湾や広田湾を一望できる。海岸の地形はリアス海岸で入り組んでいるため、海岸が海面に浮かんでいるかのように見えるのがおもしろい。

●氷上山

場所:岩手県陸前高田市、大船渡市
標高:874m
登山コース:中央コース
歩行時間:約2時間
歩行距離:約4.4km

■その3【宮城県】深山(しんざん・標高287m)

宮城県角田市と山元町にまたがる山が深山だ。自然観察路が整備されていて、麓にある深山山麓少年の家から1時間程度で山頂に立つことができる。

山頂からは山元町の街並みや、太平洋が広がる大展望が広がる。空気が澄んだ晴天の日は牡鹿半島も見渡せる。また、山頂には東日本大震災の犠牲者を悼む鎮魂の鐘が設置されており、鐘を鳴らすと重厚で荘厳な音色が広がる。

●深山

場所:宮城県角田市、亘理郡山元町
標高:287m
登山コース:駒返し~たかうちコース
歩行時間:約1時間50分
歩行距離:約4.4km

■その4【秋田県】大平山(たいへいざん・標高273m)

大平山という名前の山は秋田県内にいくつかあるが、今回紹介するのは大仙市刈和野駅より北に位置する山だ。古名は黒森山(くろもりやま)で、大平山信仰の分霊社を祀ったことが由来になっている。

大平山の山頂直下の東屋がある場所では、刈和野地区の市街地と出羽山地の展望が広がる。出羽山地のなかには鳥海山(ちょうかいさん)が鎮座しており、秀麗な山容ながら雪をまとった姿は神秘的な雰囲気が感じられる。

●大平山

場所:秋田県大仙市
標高:273m
登山コース:大平山~黒森山コース
歩行時間:約1時間15分
歩行距離:約2.5km

■その5【山形県】千歳山(ちとせやま・標高471m)

千歳山は山形県山形市にある山で、シンボル的里山として親しまれている。全山が数千本の樹齢150年の松に覆われており、自然保養林として指定されている。

千歳山の山稜からはところどころ山形市街が見渡せ、低山ながらも眺望を楽しみながら登れるのが魅力だ。また、豊かな木々に囲まれた森林浴や、赤い鳥居をいくつもくぐる参道も見どころだ。

●千歳山

場所:山形県山形市平
標高:471m
登山コース:千歳山稲荷神社参道~萬松寺コース
歩行時間:約1時間45分
歩行距離:約3.5㎞

■その6【福島県】霊山(りょうぜん・標高825m)

霊山は福島県伊達市にある山だ。昔の南北朝時代には山頂部に霊山城が築かれ、歴史深い山でもある。

霊山の山腹には、ユニークな形をした奇岩がいたるところにあり、展望スポットとしてもすばらしい景観が見られる。「見下ろし岩」では、登山口や周辺の集落、川俣町の山々が一望できる。宝寿台では吾妻(あづま)連峰や安達太良山(あだたらやま)の景観が見事だ。そして、山頂の東物見岩では、麓の集落や鹿狼山(かろうさん)、天候がよければ蔵王(ざおう)連峰や相馬沖まで望める。

●霊山

場所:福島県伊達市
標高:825m
登山コース:回遊コース
歩行時間:3時間25分
歩行距離:5.6㎞

■装備を用意して東北の絶景低山を堪能しよう

絶景が見られる山というと日本百名山のように有名な山に目がいきがちだが、低山でも眺望のよい山はいくつもある。今回紹介した山々の歩行時間はそれぞれ1~3時間半くらいだ。山に入る際の安全装備を用意して、ぜひ足を運んでみてほしい。

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