マクラフランが異次元の速さでポール争いを制す。佐藤琢磨は10番手グリッド獲得/インディ500予選2日目

 5月19日、インディアナポリス・モータースピードウェイで開催される伝統のレース『第108回インディアナポリス500マイルレース』は予選二日目を迎え、ファイアストン・ファストシックスでトップスピードを記録したスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)がポールポジションを獲得した。

 また、9番手で予選1日目を終えたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は、トップ12セッションで10番手となり、26日の決勝は10番グリッドからのスタートとなった。

 18日に行われた予選セッションを終え、上位12番手に残ったドライバーらによって争われる予選二日目。この日は12時から2時間のプラクティス7を経て、まずは12番手から7番手グリッドを決めるトップ12セッションから予選が始まった。

■琢磨はファスト6進出ならず。10番手グリッド獲得

 インディ500の予選は1台ごとにコースインし、1周のウォームアップ後に連続4周でアタックして平均速度を競うというアテンプト形式となる。気温28度、路面温度48度というコンディションのなか、前日で12番手となったライアン・ハンター-レイから計測が開始された。

 ハンター-レイは230.567mphのアベレージをマーク。その後リナス・ヴィーケイ、パト・オワードとアタックを行い、ヴィーケイが232.610mphで暫定トップに立つ。この時点で気温は31度、路面温度は51度まで上昇した。

 続いて、15回目のインディ500挑戦となる佐藤琢磨が登場。1周目は232.182mph、2周目を232.226mphとアタックを進め、3周目もスピードキープの232.213mph、4周目を232.065mphとまとめ上げ、232.171mphのアベレージで暫定3番手につけた。

第108回インディアナポリス500マイルレース 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)

 その後、サンティノ・フェルッチ、フェリックス・ローゼンクヴィスト、カイル・ラーソンとコースイン。3人は琢磨を上回るトップスピードを記録し、この時点で琢磨は暫定6番手に。続いて出走したカイル・カークウッドは琢磨に続く暫定7番手の速度をマークする。

 ここまで琢磨は暫定6番手をキープしていたが、その後アタックを行ったアレクサンダー・ロッシがアベレージスピードを更新したことで琢磨はポジションダウン。惜しくもファスト6進出を逃す結果となった。

 そして、ここからはジョセフ・ニューガーデンを筆頭にチーム・ペンスキーの3台が順にアタック。これまでのマシン達を凌駕するスピードでトップ3を席巻し、スコット・マクラフラン、ウィル・パワー、ニューガーデンの順でワン・ツー・スリーとなってトップ12予選をしめくくった。

 チーム・ペンスキーの3台のほかにはロッシ、ラーソン、フェルッチがファスト6へと進出し、6台すべてがシボレーエンジンの搭載車という結果となった。

第108回インディアナポリス500マイルレース カイル・ラーソン(アロウ・マクラーレン・W/リック・ヘンドリック)

■マクラフランが異次元の走り。予選落ちはクラッシュのシーゲルに

 いよいよポールポジションを決めるファスト6は、17時20分からスタート。気温32度、路面温度51度という状況でフェルッチからコースへと向かい、アタックを開始する。ウォールギリギリのアタックを見せたフェルッチは232.692mphをマーク。

 続くのは、2021年NASCARカップ・シリーズ王者である最速ルーキーのラーソンだ。前走者を上回る勢いのアタックで、232.846mphを記録して見せる。さらにチームメイトのロッシは、1周目に234.062mphという驚速を見せ、アベレージ233.090mphで暫定首位に立った。

第108回インディアナポリス500マイルレース アレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン)

 残るはチーム・ペンスキーの3台。一人目のニューガーデンは234.618mphを1周目からたたき出していく。2周目も234.004mphとなり、チーム・ペンスキーの速さが光る異次元のアタックを見せる。3周目は233.640mph、4周目を233.400mphとしてアベレージ233.808mphでトップに躍り出た。

 続くパワーも、1周目から234.128mphをマーク。その後も233.955mph、233.767mphと続け、最終周を233.819mphでまとめてアベレージ233.917mphでニューガーデンを上回る。

 最後のアタッカーであるマクラフランは、1周目を最速の234.526mphでクリアする。2周目が234.371mph、3周目が234.168mph、最終周は233.816mphでまとめあげ、唯一の234マイル台である234.220mphのアベレージを記録。別格の走りを披露し、ポールポジションを獲得した。

第108回インディアナポリス500マイルレース スコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)

 チーム・ペンスキーは、ワン・ツー・スリーで予選を完封。フロントロウを独占し、26日の決勝へ向けてこれ以上ない予選結果を勝ち取った。また、予選1日目にはシボレーエンジン勢に燃焼のトラブルが発生しており6台が急な失速に見舞われていたが、ゼネラルモーターズは夜を徹しての改善を実施したといい、その作業に取り組んだメンバーの努力を報うポールポジション獲得となった。

 なお、上記2セッションの間には、31番から33番までのグリッドおよび1台の予選落ちを決めるラスト・チャンスが実施され、キャサリン・レッグ、マーカス・エリクソン、グラハム・レイホール、ノーラン・シーゲルの4名が出走。その結果レッグ、エリクソン、レイホールが順に後方のグリッドを獲得し、最終アタックでクラッシュを喫してしまったシーゲルが予選落ちとなった。

 残るプラクティスセッションは、現地時間20日13時からのプラクティス8と、24日11時からのファイナルプラクティス(カーブデイ)のみ。そして決勝レースは、現地時間26日12時38分に開始となる予定だ。

第108回インディアナポリス500マイルレース ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)
第108回インディアナポリス500マイルレース ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)

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