写真で見る トヨタ「ランドクルーザー“70”」

by 深田昌之

基本的な部分は変えず、日本向けにエンジンや安全性能、デザインをアップデートしたランドクルーザー“70”

トヨタ自動車の「ランドクルーザー“70”」は2023年11月29日に発売されたモデルだが、まったく新しい車両ではなく、1984年に誕生したモデルがベース。日本での販売が終了したあとも海外向けに販売されており、信頼性、耐久性、悪路走破性などはそのままに、パワートレーン、操縦安定性、デザイン、安全性能をアップデートし、再び日本での販売が開始された。グレードは「AX」のみで価格は480万円。乗車定員は5名で乗用車登録となる。

エンジンは2.8リッター 直噴ディーゼルターボの「1GD-FTV」を搭載。最高出力は150kW(204PS)/3000-3400rpm、最大トルクは500Nm/1600-2800rpm。

トランスミッションはフレックスロックアップ付きスーパーインテリジェント6速AT(MTの設定はなし)。そして駆動方式は4WD(パートタイム4WDシステム)で、悪路走破のための電動デフロックも備えている。

加えて操縦安定性向上のためにビークル・スタビリティ・コントロール(VSC)、アクティブ・トラクション・コントロール(A-TRC)、ヒルスタート・アシスト・コントロール(HAC)、ダウンヒル・アシスト・コントロール(DAC)といった駆動力、制動力制御システムを搭載している。

また、新たに発売されたランドクルーザー“70”は、バンではなくワゴン車区分になるため、サスペンションは快適性を追求した作りへと改良。6速ATと合わせてスムーズな運転および操作性を求めるニーズに合わせたクルマに仕上げてある。

進化した安全性能としては、プリクラッシュセーフティ、コンライト、ドライブスタートコントロールなどが含まれた最新の「Toyota Safety Sense」を採用。また、撮影車には販売店オプションの前後方2カメラドライブレコーダーも装備されている。

ボディサイズは4890×1870×1920mm(全長×全幅×全高)。最低地上高は200mm。車両重量は2300kg(車両総重量は2575kg)。タイヤサイズは前後265/70R16 AT23タイヤに16×7Jホイールを合わせている。

ランドクルーザー“70”。ボディカラーはベージュ(ブラック)。前後バンパーは樹脂製でブラックの素地仕上げ。ボディカラーはほかにホワイトII、アティチュードブラックマイカがある
後方視界がいい大きめのリアクォーターガラスもランドクルーザー“70”の特徴
ボディサイズは4890×1870×1920mm(全長×全幅×全高)と、駐車場の選択を含めて都会でも扱えるサイズ
エンジンは2.8リッター 直噴ディーゼルターボの「1GD-FTV」を搭載。最高出力は150kW(204PS)/3000-3400rpm、最大トルクは500Nm/1600-2800rpm
トランスミッションはフレックスロックアップ付きスーパーインテリジェント6速AT。駆動方式は4WD(パートタイム4WDシステム)
悪路走破には欠かせない機能の電動デフロックも備えている
ヘッドライトは丸型のBi-Beam LEDヘッドライトを採用(センター部)。このランプは1灯でロービームとハイビームの切り替えができるもの。丸く配置されるのはLEDクリアランスランプ(デイタイムラングランプ)。写真はLEDクリアランスランプ点灯状態
ヘッドライト点灯。ヘッドライトをフロントグリルと一体の形状にすることで不整地を走行する際の路上障害物などからヘッドライトを保護する
今回のモデルはターンランプが独立して配置されている
バンパーにはLEDフロントフォグランプが付く
リアコンビネーションランプはバンパー埋めこみ式
外側からターンランプ・テール&ストップランプ・バックランプの並び
LEDハイマウントストップランプ
2面鏡面式の補助確認装置
電動リモコンミラー。鏡面は大きく見やすい
ボンネットの形状は独特
左側にはAdBlue(アドブルー)の注入口がある
アドブルーの注入口のカバー。その奥が手動アンテナ
フロントのオーバーフェンダーはバンバーと同じ樹脂製で素地仕上げ
大型のサイドステップはアルミ製。ブラック仕上げ
リアオーバーフェンダーも樹脂の黒。前後バンパーを含めてボディ下部あたりを黒で統一。引き締まった印象になっている
スペアタイヤキャリアとカバーが付く。スペアタイヤにはロックナットが採用され防犯効果を高めている
リアにはアルミステップ(ブラック)と牽引用のフックが付く。
フロントタイヤ&ホイール。タイヤは前後265/70R16 AT23。アルミホイールは16×7J。切削光沢+ブラック+マットクリア塗装仕上げで、センターオーナメントが付く
リアもフロントと同じタイヤ、ホイールを履く。燃料の給油口は右側にあり、燃料は軽油でタンク容量は130L

上質感のある素材を使用したインテリア

エクステリアはランドクルーザー“70”らしいシルエットを継承する一方、インテリアは、現代に合うよう時代性をとらえて細部をアップデートしたデザインとしている。

とはいえ、水平構成の力強いデザインと、オフロード走行に配慮した機能的レイアウトは継承されているので、乗り込んだあともランドクルーザー“70”らしさが残る。そのうえでシンプルな操作性、多様化する用途に対応しつつ、上質感のある素材を使用した室内空間となっている。

ランドクルーザー“70”のインテリア。ダッシュボードは水平基調のデザイン
運転席
助手席
運転席まわり。ステアリング位置調整は上下、前後に可能
ステアリングにはマルチインフォメーションディスプレイ操作ボタンが付く
メーターはオプティロンメーター(メーター照度コントロール付き)。油圧計や電圧系もある。右側が4.1インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ
マルチインフォメーションディスプレイの表示項目選択画面
マルチインフォメーションディスプレイのアドブルー残量表示
マルチインフォメーションディスプレイのレーンキープディパーチャー表示。ロードサインアシスト(RSA)で標識も表示される
メッセージ表示
右側レバーは、ライトスイッチとターンランプを操作。OFFの位置はないがスイッチ位置を「3(AUTOよりさらに下にある)」の位置で1秒以上保持することで消灯できる
下側にはクルーズコントロールの操作レバー。定速制御のみ
左側レバーはワイパー操作用
物理キーを使用するのでキーシリンダーがある。ドアロックはリモコン式。盗難防止システム付き(イモビライザーシステム)
ダッシュボード右側にあるスイッチ。光軸調整、オートマチックハイビームのON/OFFスイッチ。サイドミラー調整、排出ガス浄化スイッチ、アイドルアップスイッチが並ぶ
運転席側ドアトリム
運転席側ウィンドウ操作スイッチ類、運転席のみワンタッチオート機能がある
ATなので2ペダル
フロアマットにはクルマのイラスト入りタグが付く
センターコンソルール。オプションの7インチVGAディスプレイのベーシックナビが付く。Bluetoothのバンズフリー/オーディオ対応・USB入力端子付き(音楽/動画)。バックモニターにもなる
インナーミラーは自動防眩式。また、取り付けアームが可動式なのでインナーミラー本体の位置を上下に調整できる
オプションのドライブレコーダー付き
エアコンはマニュアル
上段左からパワーヒータースイッチ、2速発進スイッチ、PWR/HAUL(パワーホール)はより力強い走りや強めのエンジンブレーキが必要なときに使用する。下段は左からリアデフォッガースイッチ、ダウンヒルアシストコントロールスイッチ、VSCオOFFイッチ
ATは通常のDモードのほかに任意のギヤを選択できるMモードもある。MモードはM1~M6までの間でギヤチェンジができる。奥に見えるのが駆動系の作動状態を切り替えるトランスファーレバー。4つのポジションがあり奥から「ハイレンジ2WD(通常はこの位置)」「ハイレンジ4WD」「ニュートラル」「ローレンジ4WD」となっている
サイドブレーキは手動式
充電用USBタイプC端子とアクセサリーソケットも完備
オプションのETC車載器
センターコンソルール左側の小物入れ
センターコンソルール。小物入れとドリンクホルダーを備える
ふた付きの小物入れ
ふたを開けたところ。出し入れしやすいサイズ
グローブボックス
グローブボックスを開けたところ。車検証や取扱説明書などのファイルを格納できる
グローブボックス内には充電用USB Type-A端子を完備
助手席側のドアトリム
助手席側のドアトリム下にもドリンクホルダーがある
運転席は合成革皮+ファブリック。前後リクライニングのみで高さ調整機能はない
助手席。こちらも合成革皮+ファブリック
フロントシート背面には収容ポケットがある
リアシートは6:4分割可倒式(タンブル+リクライニング)
リアシート足下にはリアヒーターを完備
背面をもっとも起こした位置
背面をもっとも寝かせた位置。起こした位置から数段階で角度調整が可能
後席ドアトリム
後席のアレンジ。フル乗車の状態
後席は6:4の分割可倒式
背面のみ倒した状態
座面を跳ね上げてラゲッジスペースをもっと見広くした状態。これで荷台長は1355mm、幅は1440mm、高さは1120mm
ラゲッジの左側。内張の裏にはジャッキが収納されている
ラゲッジの右側。ラゲッジのフロアにはフックやロープが掛けられるデッキフックが4か所にある
バックドアは左側から先に開けるタイプ
左側ドアを開けると右側ドアを開くためのレバーが現れる
室内からもバックドアは開けられる
クォーターガラスはレバーを引くとチルトアップできる
クォーターガラスが閉まった状態
クォーターガラスがチルトアップした状態
オプションのリア用ドライブレコーダーも装備されていた

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