中国人留学生が悲鳴、「実家から仕送りしてもらえなくなった!」―北米華字メディア

海外で暮らす中国人留学生は2020年頃までに実家からの仕送りに頼れるようになった。しかし現在では、経済状態の悪化のために仕送りが途絶える事例が続出している。写真は英国スコットランドのグラスゴー大学。

かつての中国人留学生は、実家からの仕送りがないので懸命にアルバイトをして生活費と学費を稼ぐしかなかった。しかしその後、様相が一変した。本国が経済力をつけたことで実家からの仕送りに頼れるようになった。アルバイトをしない中国人留学生も珍しくなくなった。しかし現在では事情が改めて一転した。実家に資金の余裕がなくなり、仕送りが途絶えた中国人留学生が悲鳴を上げている。北米に拠点を置く華字メディアの世界新聞網が伝えた。

中国版インスタグラムとされる「小紅書」では、2023年から「留学断供(留学への提供断絶)」のハッシュタグが付いた投稿が目立つようになり、すでに420万件を超えた。実家の資産が減って経済上の困難に陥る海外在住の中国人学生が増えており、ネット上で自らの「あがき」を吐露し、どう対処すればよいかアドバイスを求めている。

米国メディアのCNBCによると、米国や英国などの中国人にとって人気の留学先では学費などが高騰し、状況はさらに悪化しているという。

19年に米国に留学した中国人のZさんによると、大学の学費を支払うためにアルバイトをしなければならない日が来るとは思ってもいなかった。Zさんはアラバマ州の大学でデザインを専攻している24歳の女子学生で、かつては学費や生活費のすべてを両親が支払っており、金額は累計で150万元相当(約3300万円)相当に達していた。ところが23年10月に両親から、資金繰りの問題でこれ以上の経済支援はできないと告げられた。

Zさんによると、父親は新型コロナウイルス感染症が盛んだった時期に製薬産業に投資して、結果として大きな損失を被った。Zさんは、米国で教育を受けることを支援できなくなったので中国に戻ってほしいと言われ、帰国のための航空券代ならば支払う用意があると告げられた。

Zさんは家政婦や大学内での仕事のアルバイトを探したが、容易ではなかった。結局は別の州で臨時の仕事を見つけることができた。23年11月から今年1月までは毎朝7時には仕事を始めなければならず、とても疲れたが、来学期の費用をまかなうだけの資金を稼げたので「まだよかったです」という。

Zさんのケースは特殊事例ではない。また、米国以外の国でも同様な状況が発生している。21歳の中国人男子留学生のBさんは、スコットランドのグラスゴー大学で経済と社会史を専攻してきたが、22年12月に初の学期を終えた後に、父親の不動産業が破綻(はたん)したと伝えられた。Bさんは配達員、飲食店やブティックでの販売員などとして何とかして金銭を稼ぐしかなくなった。

Bさんはその後、友人と中古車の販売やサービスを営む会社を設立して、自らの経済危機を解消した。卒業後も会社を続けて現地に留まる考えだ。

ネットユーザーからはこのような状況について、「これはブラックバイトと呼ばれる。問題はないが、アイビー・リーグの学費を捻出するのは難しい」「留学生とは言えないよ」「どの人もどの人もなぜ、『死んでも帰国はイヤだ』となるのか?」といった感想が次々に寄せられている。(翻訳・編集/如月隼人)

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